分譲マンションメーカーの㈱和田コーポレーション（丸亀市大手町1-3-11　和田康博社長）は、両備ホールディングス㈱（岡山県　小嶋光信ＣＥＯ）のグループ入りすることを決めた。
　同社は６月６日、自社株式の77.5％を両備ＨＤに売却（22.5％は社員が保有）。なお両備ＨＤグループ入りした後も、和田社長が引き続き社長を務める。
　社名および分譲マンションのブランド名「ロイヤルガーデン」は、そのまま残す。本社は丸亀市とし、従業員は全員を継続雇用する。
　両備側からは、代表取締役会長に就く小嶋光信氏と代表取締役一名を迎えて、経営力の強化を図る。
　今回のＭ＆Ａは、事業継承の準備と一層の成長を考える和田側と、マンション事業の拡充を目指す両備側双方のメリットが一致。まとまったものである。

---

　和田コーポレーションは、大手デベロッパーを経て和田社長が１９９８年に設立。「満足のいく住まいづくりに貢献する」を基本理念に、〝高品質･高性能･好価格〟をモットーにした分譲マンション「ロイヤルガーデン」で支持を獲得、業容を拡大した。
　現在は高松・中讃（丸亀・坂出・宇多津）・岡山・徳島の瀬戸内エリアを中心に展開。ロイヤルガーデンは、販売物件が即日完売を数多く記録するほどの商品力を備える。
　２０１３年２月期の売上高は五十二億七千三百万円で、１４年２月期は七十億円を見込む好業績企業である。
　唯一の課題は、社長の後継者がいないことだった。設立15年で瀬戸内エリアにおける有力マンションメーカーに同社を成長させた和田社長に代わる人物は、容易に得られるものではない。
　両備ＨＤは、バス・タクシー・海運・トラック運送をはじめとする各種運輸事業を核に、スーパー・不動産などを多角化に成功している。１３年３月期のグループ売上高は、1177億円を計上する。
　グループ企業は和田コーポレーションを含め55社に上り、マンション関連では両備不動産カンパニー（岡山市）を擁する。両備不動産カンパニーでは、岡山市内を中心に「グレースマンション」シリーズを販売している。両備ＨＤは和田コーポレーションをグループに迎えることで、瀬戸内エリアにマンション事業を広げることができる。
　こうした背景を踏まえて両社は手を結んだもので、今後は相乗効果をいかに発揮していくかが問われる。ロイヤルガーデンの商品力に、両備グループの信用が加われば、和田コーポレーションの一層の成長に繋がることだろう。
http://www.royalgarden-wada.com/

---

---