11月5日号
「FLAGにはもう行ったか?」
「瓦町ビル、予想以上にええ感じやん」
昼時のうどん店で、電車の中で、瓦町FLAGの会話があり、いま香川高松で話題の中心にあることは間違いない。
高松天満屋の閉店から1年半あまり。主の消えた駅ビルでは一部テナントが営業を続けてきたが、ビルを所有する高松琴平電気鉄道㈱(栗林町2-19-20 真鍋康正社長)、総合商社 双日㈱グループの双日商業開発㈱(東京都)のジョイントにより、瓦町駅ビルは「瓦町FLAG」として蘇った。
10月23日、グランドオープンの朝。ことでん瓦町駅の改札を抜けた正面にある瓦町FLAGの2階正面口には、グランドオープンを待つ来店客が列を作り、報道陣の人山ができた。
オープニングセレモニーには関係者、ことでんのキャラクター ことちゃん、ことみちゃんとの間に誕生した「ことのちゃん」も参加した。
ことでん真鍋社長は「この1年半ほど、市民の皆さんからのご意見ご要望を採り入れ瓦町FLAGが誕生した。
瓦町駅は、高松の中心となる公共交通であり、街の入り口でもある。その入り口を面白い場所にし、多くの方に楽しんでいただくために努めてきた。83のテナント(うち香川県初進出37店)と共に出発し、文化的で豊かな街づくりの運営を行っていきたい。
ことでんグループと地域の皆さんとともに、街づくりを行っていくという旗印を掲げる意味で瓦町FLAGと名付けている。今後もともに地域を盛り上げていきたい」とあいさつ。
双日 リテール事業本部の横山直樹副本部長は「このオープンは〝始まりの始まり〟であり、〝日々、変わり続ける〟ことと、〝未完成が故のワクワク感〟を試しながら、継続して愛される存在にしていきたい」と抱負を語った。
8階に市民交流プラザ IKODE瓦町を開設した高松市の大西秀人市長は「人口減少・超高齢社会を睨み、街づくりの一つの考えとして多核連携型コンパクトエコシティの実現を図っており、その中心となるのがこの中心市街地と公共交通の充実。
高松市が取り組んでいる、〝コンパクト+ネットワークづくり〟の〝+〟部分がこの瓦町FLAG。老若男女の笑顔が輝く高松市をこれからも作っていくため、ひとつの拠点施設としてコンパクトな街づくりを促進して欲しい」と述べた。
ここで店内を簡単に紹介しよう。
2階入り口の顔となるBEAMSが売り場を拡大、PEARLY GATESがあることで、百貨店を彷彿させる上質なエントランスに仕上げた。百貨店時代の定番であった化粧品は売場を縮小、2階にインテリア、生活雑貨のunicoがあるのは斬新で、天満屋時代のフロアイメージを一蹴した感が伝わってくる。
また、これまで閉ざされていた2階の東側入り口からダイレクトにエスカレーターに乗れるようになったことで、2階全体が明るく開放的になっている。
4階より上階は核となる有力テナントが各フロアに陣取る。ワンランク上のファッションテナントから、100円ショップ、メガネスーパー、占い館など複合性が、香川にこれまでなかった駅ビルらしさを演出。
7階の巨大書店ジュンク堂は、図書館のような整然とした陳列と分類が、これまで香川県民が接することのなかった新タイプの本屋。低い書架で圧迫感もない。平積み台をメインに陳列する書店に慣れ親しんだ香川県民の評価が実際どうなのかが気になるところ。
ジュンク堂に併設するカフェは使い勝手の良い空間として重宝されそうである。文具のマルゼンも併設。
8階への行政サービスの設置は非常にユニークな試み。市民活動センターはボランティア団体の利用者が多いが、その団体らは比較的高齢者で構成されていることが多い。瓦町FLAGはシニア世代に訴求するテナントが少なく若者イメージが強いため、市民交流プラザの存在は高齢者の集客に効果を発揮しそうだ。
最上階「カワラパーク」の設置は、ファミリー層にとってはありがたい。買い物の合間の休憩スペースとして使えるため、1日をFLAGで過ごせるだろう。グランドオープンから3日間はカワラパークでイベントが開かれ、多くの家族連れらで賑わっていた。
売り場がテナントで埋まりきっていないという背景もあるが、そのことにより、テナントフロア、エスカレーターの踊り場をはじめ全体的に余裕のあるレイアウトとなっている。
通路にカラフルなデザインソファを置きゆったり感を演出。店内にドリンク自販機を置くなど、百貨店時代に比べれば駅ビル内でくつろぐことが可能となった。
しかし飲食テナントの数は十分とは言えない。今後オープンする地下の食品フロアに、ファーストフード系や軽食の誘致が求められるのではないか。
また市内中心部の生活者から言えば、無料の駐輪場不足が問題となりそう。オープン日はビル東口だけでなく、セブン-イレブン駐輪場までが瓦町FLAG来店客に占拠されている状態であった。ことでん志度線瓦町駅の東にある駐輪スペースは、瓦町FLAGから僅かながら距離が離れているため、あまり利用されていなかった。
期待と課題を背負ってのスタートとなった瓦町FLAG。正直なところ街の声も様々あるが、短期間でここまでテナントを集め再開したことは、主導したことでん、双日を大きく評価できる。
周辺への波及効果にも意味がある。南新町、常磐町、田町の南部3町商店街は瓦町FLAGオープンを記念し、11月3日まで歓迎キャンペーン「商店街も頑張るけん!」を実施し、常磐町商店街は10月25日にオープン歓迎 常磐街マルシェを開くなど人の流れと活気が蘇ってきた。
初年度の集客目標は500万人、売上90億円を目指すという巨艦の推移を、まずは見守りたい。
営業時間はショッピングフロア10時~22時、レストランフロア11時~22時。
目次
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㈱ムーミー
代表取締役社長 村上達也氏 - 瓦町FLAGがグランドオープン
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