〝ＤＩＹ〟という言葉の浸透とともに、今や西日本におけるホームセンター（ＨＣ）業界の雄へと目覚ましい成長を遂げた西村ジョイ㈱（高松市成合町891-1　西村　久社長）。さる11月13日にはその取引業者らでつくる「ジョイ会」（中村幸夫会長＝㈱スリーキューブ社長）の第16回総会が400余名を集め、高松国際ホテルにて盛大に開催された。
　同社は昭和10年に西村木材として創業。昭和50年には、当時の草分け的存在としてＨＣ事業に参入。今年は創業80周年、ＨＣ進出40周年というまさに節目の年を迎え、草創期を支えた前社長の西村泰昌会長から子息の久氏にバトンを受け継ぐという、まさにエポックメイキングな一年でもあった。
　総会では、中村会長が「創業から一貫してぶれることなく、ＨＣの王道を突き進みながら、地域密着型企業として発展してこられた。（新社長には）これまでの良き伝統を継承しながら、新しい風も吹き込まれるものと大いに期待している。われわれ会員が一体となって動けば、大きなうねりを起こすこともできるはず」と力強くコメント。

---

　富士建設㈱などを傘下に持つ富士ホールディング㈱（三豊市詫間町300-1　眞鍋雅彦社長）は11月19日、インターネットを通じ、不特定多数の人から事業資金などを募る、クラウドファンディング事業を始めた。
　同日、専用サイト「ＦＡＡＶＯ（ファーボ）香川https://faavo.jp/kagawa」を開設し、町おこしや新規事業を企図する人と支援者（資金提供者）を結ぶサービスを開始した。
　地域活性化の切り札としてＦＡＡＶＯ香川には、行政も期待を寄せている。19日に県庁で、浜田恵造知事、梶　正治丸亀市長、眞鍋社長が出席し、連携・協力協定書に調印。三豊市を含めた三自治体がオフィシャルパートナーとして、ＦＡＡＶＯ香川の活動を後押ししていくことが決まった。
　また百十四銀行および香川銀行、ＮＰＯ法人などがパートナーとなり、事業計画の作成や資金調達、事業者や地域資源の掘り起こしで支援を行う。
　ＦＡＡＶＯ香川では11月30日時点で、三件のプロジェクトが支援者を募集。一例を挙げると、三豊市詫間町の志々島振興合同会社が事業主体となる、「古民家改修による休憩所・民泊施設」プロジェクトが事業を提案し、支援金を募っている。

▼オバマ大統領も選挙資金を調達

　クラウドファンディングは、プロジェクトやアイデアをサイト上で発表し、それに共感した全国各地の人々から支援金を募ることができるサービスだ。補助金や融資などとは異なる、新しい資金調達手法として世界中で普及が進んでいる。
　またプロジェクトやアイデアを、インターネットを通じて、ＰＲできるというメリットも併せ持つ。
　著名な事例では、アメリカのオバマ大統領が同様の手法で、選挙活動資金の調達成功例がある。
　富士ＨＤが同事業で業務提携したのは、〝地方創生〟を目的に２０１２年より、各県エリアごとにクラウドファンディングシステム「ＦＡＡＶＯ」を展開している㈱サーチフィールド（東京都　小林琢磨社長）だ。
　サーチフィールドでは現在全国46地域で、ＦＡＡＶＯを展開。プロジェクト379件の情報発信・支援者募集を行い、これまでの支援合計金額は約2億5千万円に上る。
　ＦＡＡＶＯ上では、個人や法人を問わず、誰でもプレーヤーとなって、地域を盛り上げるプロジェクトの発表が可能だ。支援者の共感を得れば、プロジェクトを実現することができる。
　プレーヤーは支援の目標金額および、募集期間を設定し、期間内に目標額を達成した場合、達成金額からＦＡＡＶＯの手数料20％を差し引いた金額を得ることができる。目標金額に達しない場合、支援金はサポーターに全て返金される。

▼チャレンジする人を応援

　富士ＨＤは、富士建設㈱（建設事業）、フジ開発㈱（不動産関連事業）、中津万象園（文化振興事業）、丸亀プラザホテル（ホテル事業）、味処懐風亭（飲食事業）を傘下に、暮らしと文化を大切にする企業グループとして事業展開している。
　中核企業である富士建設の、眞鍋社長および眞鍋有紀子専務はかねてより、地域振興の手法を模索。地域密着のクラウドファンディングシステムを独自に検討していた所、ＦＡＡＶＯの存在を知り、業務提携を申し入れた。
　「地域や社会のためにチャレンジする人を応援したい、という趣旨に多くの賛同を頂いたことに、感謝します。ＦＡＡＶＯ香川を通じて、地域を元気にしていきたい」と同社では抱負を語る。

---

---