3月5日号
「トモニ、関西で融資拡大 大正銀と4月統合 10年後、1兆円目標」
2月23日付読売新聞10頁の経済面にデカデカと3段抜きの見出しが躍動していた。久しぶりのビッグニュースは香川・徳島のからんだものだ。
インタビューで遠山誠司社長が、「もう一段の高みへ」とぶち上げ、「統合10年になる2026年3月末で関西の融資残高1兆円を目指す。これまで積み上げた実績に若干の努力目標を加えた数字だ」
とこともなげな口調で大きな狼煙をあげ、競合行をしてショックを与えた。いかにも遠山氏らしい発言だ。
要するに大正銀行とトモニホールディングスが経営統合するのがこの四月。
2010年にこの構想を電撃的に発表して大きな話題を集めた。
競合ひしめく関西の牙城へ攻めこみ、四国のサムライどもがシェアを拡大するのが狙いだ。
それに先駆けて読売新聞がひと足早く遠山社長にインタビュー、おっとり構えている他社を抜いたものだ。
人口減少と経済環境の劣化から先細りの傾向にある香川・徳島両行は強い危機感を抱いても不思議ではない。預金も貸出も伸びなくなってくるのは目に見えている。
四国内の地銀はそれぞれ何らかの危機感を持っているだろうが、いち早く行動に移し新会社を立ち上げたのは香川・徳島のみであった。
他行は日和見主義をとっており高見の見物を決めこんでいた。
その間隙を縫って関西で営業している大正銀行を傘下に入れたことは、強力無比の武器となった。
地理的条件に詳しい大正銀行と手を組むことは、香川・徳島勢にとって鬼に金棒なのである。
すばやい行動力の先兵となったのは、無論柿内慎市会長(徳島)と遠山誠司社長(香川)のコンビだ。
ただ1兆円構想が結実するまでにはヨイショがいる。
関西エリアは地元勢も守りを固めているものの、他の県外勢の進出も急ピッチ。大混戦、大乱戦が展開している。
特に京都勢力の進出は精力的で京都銀行、京都信金などが精鋭を率いて殴りこみをかける。
トモニもそう簡単に牙城を崩せない。何しろ各行とも警戒警報を発令して鉄壁の防戦体制を敷いている。
遠山社長がぶち上げた花火が点火不良で落下してくるかもわからない。慎重な戦術を立てるべきである。
関西は反社会勢力の台頭も著しく、あまり攻めを急ぐとワナにはまり、大ケガをする恐れも無きにしも非ず。
相手を見極める眼力、目利きが必要なのである。
このことはすぐ隣の銀行で失敗した実例もあるので、事前の教育をしっかりやることだ。県警本部からその道に詳しい担当官を招いて研修するぐらいの事前準備をぜひ実行して欲しい。
山陰合同銀行なども関西へ攻めこんでいるが、内実は荒っぽい商売をしている。岡山に支店を構え四国の一部を侵攻しつつあるが、レート下げ中心のやり方には批判も多い。
トモニはそのような商法はとらず、正攻法で堂々と攻めるべきであろう。
ともあれ4月以降の関西市場は、トモニが投げた波紋がどのように広がっていくか。注目したいものだ。
目次
- トップインタビュー
㈱JTB中国四国 執行役員 四国営業部長 高松支店長 矢田博嗣氏 - 4月から大正銀行を加え営業始動 トモニホールディングス
- 「おいでまい」の米粉使い、県内の菓子店などが新商品を開発
- 2月に住宅完成見学会を2会場で開催 ㈱住まいる館
- 「働きがいのある会社」に2年連続選出 ジェムスクール
- ジェトロ香川開設60周年記念シンポジウム開かれる
- サービスセンターの板金塗装工場を拡大 ユーロスポーツ㈱
- 話題のホットヨガスタジオが四国上陸 ロイブ高松店
- MBA取得コンサルタントが、経営者・管理職向けセミナー ㈱トラストブレイン
- 「イクボス式」で業績アップ目指す
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