四国・中国地方で大型家電量販店「ケーズデンキ」を展開する、㈱ビッグ・エス（高松市多肥上町）は、このほど社長交代を発表した。
　現代表取締役社長の大坂尚登氏は、親会社㈱ケーズホールディングス（以下ケーズＨＤ　茨城県）の専任取締役となる。新代表取締役社長には、社内から岡田達也執行役員管理部長が昇格・就任する。
　中四国で32店舗を展開するビッグ・エスは１９４６年、大坂社長の祖父が旧長尾町で創業。尚登氏まで三代、創業家が社長に就いており、社内登用の社長は岡田氏が初となる。七十周年を期に、同社は創業者が掲げた〝脱皮・変身・成長〟を遂げる。
　ビッグ・エスの新体制（６月17日付け）は次のとおり。▽は新任▼は重任。

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▽代表取締役社長　岡田達也（執行
　役員管理部長）
▼常務取締役管理部長　伊勢譲司
▼取締役営業推進部長　太田　学
▼取締役開発部長　是本誠志
▽取締役　平本　忠（※ケーズＨＤ専務取締役企画・開発本部長と兼務）
▼監査役　橋本順四郎
　大坂社長は顧問として、新体制を支えていく。

大坂社長は全国の経営に専心

　ケーズＨＤ（遠藤裕之社長　東証一部上場）はこの度、取締役を現在の20名から９名体制とし、経営判断や合意形成のスピード化を図ることとした。
　更に遠藤社長は、大坂氏を若い世代の取締役のキーパーソンの一人に選んだ。大坂氏はビッグ・エス社長とケーズＨＤ取締役の兼務から、ケーズＨＤ専任取締役となり、同社の国内ＩＲ（投資家向け広報）担当も務める。
　大坂社長は専任取締役となった経緯と、思いを次のように語る。
　「ビッグ・エスは今夏、広島県に初進出を控えており、社業発展のために共に努めてきた従業員と離れることに迷いもありました。
　一方で、将来グループ全体を経営する中心メンバーとして、若いうちからあらゆる経験を積んで欲しいと直接遠藤社長より声をかけて頂き、ビッグ・エスを含めたグループ全体の発展に貢献出来るなら、と決断しました。
　専任取締役として、人口減少社会における家電量販店の将来像を描き、ビッグ・エスをはじめケーズデンキグループの発展に努めたい」

新社長は従業員満足で実績

　岡田新社長は東かがわ市出身で、大坂社長と同年の44才。１９９６年同社に入社。店舗販売員として従事し、１９９９年に脇町店（徳島県）店長に就任。以来、神戸、岡山、高知など県外店舗の店長を務め、１１年に執行役員高知駅前店店長に昇格。１３年より現職の執行役員管理部長として、総務、人材採用、人事考課制度の構築などに取り組んできた。
　取締役経験のない岡田氏を、登用した理由を大坂社長は次のように語る。
　「店舗販売員、店長として現場経験が長く、管理部長として従業員満足の向上に大変寄与してくれました。
　ビッグ・エスでは〝お客様満足度〟のための〝従業員満足〟を第一に掲げています。岡田新社長は、昨年４月に認定を受けた『子育てサポート企業（くるみんマーク）』の取得を推進するとともに、従業員が楽しく仕事ができ、働きやすい環境整備に管理部長として取り組んできました。
　現場で働く従業員の気持ちを汲み取れること、そして従業員満足を実現できるリーダーとして、社長に指名しました」
　岡田新社長は、後継指名を受けた責任と抱負を次のように語る。
　「入社以来指導を受けてきた、先代の靖彦氏、尚登氏と二代にわたる偉大な経営者の後任に指名され、重責を担えるのかと自問しました。
　当社は人財力を経営戦略の柱にしています。お客様応対に共に励んだ現場の仲間や採用に関わった従業員が、キャリアアップを目指すきっかけになればと、社長を拝命しました。
　大坂社長が目指してきた、従業員がビッグ・エスに入社してよかったと思える環境づくりを継承し、実現していきたいと考えています」
　大坂社長は、岡田氏のトップ就任で、店長・役員・社長を目指す従業員が出てくる企業風土が生まれることが何より嬉しいと語る。
　同社は今期六店、来期は七店の新規出店を計画している。店長昇格を目指す人財が頭角を現すことを期待しており、彼らのやる気が同社の発展の原動力となるはずだ。

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