四国創生に向けていよいよ本格的に動き出す。
　百十四銀行（高松市　綾田裕次郎頭取）、阿波銀行（徳島市　長岡　奨頭取）、伊予銀行（松山市　大塚岩男頭取）、四国銀行（高知市　山元文明頭取）が昨年11月に結んだ包括提携「四国アライアンス」の具体的な取組みが発表された。
　〝興す〟〝活かす〟〝繋げる〝育む〟〝協働する〟という５つのテーマを掲げ、４行が独立経営のもと、健全な競争関係を維持しつつ、各行の強みやノウハウを結集して四国創生を牽引していく。

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ファンドや証券を共同化
　四国アライアンスでは、地域の魅力を高めながら、地域･顧客･４行の持続的な成長と発展を目指す。４行は包括提携以降、５つのテーマを軸に〝産業振興〟〝事務共同化〟など26の分科会を立ち上げた。施策の実施に向けた具体的な検討を重ねており、共同プラットフォームの確立により、コストを削減しながらスピーディに四国創生の共通課題に対応していくことが狙い。
　まずは今年度中に、４行でファンド運営会社の共同設立を計画。創業、再生、事業承継、観光等のファンド設立により、企業の支援や観光振興、ひいては地域経済の活性化に繋げていく。また外部専門企業との連携や専門家の招聘も予定しており、４行のスケールメリットによる投資案件の増加や行員のスキル向上にも役立てる考えだ。
　一方で伊予銀行子会社の「いよぎん証券」も共同活用する。すでに他３行では、同社の扱う商品の仲介業務をスタートさせており、今後は各行の出資や社名変更も検討。四国アライアンスの中核証券会社として、顧客の資産形成にも貢献していく体制を整えていくという。
　また４行でのビジネスマッチングも開始する。計画では３年間で紹介件数四千件、成約率20％を目指し八百件のマッチングによる収益力の拡大を図るほか、全国各エリア、海外での商談会や、若い経営者を繋げる交流会なども開く。
　四国アライアンスでは事務の共同化にも取り組むほか、４行間での人財交流、各種研修への相互参加や合同研修も計画。
　なお四国の資源の魅力を活かした四国創生という面からは、行政や事業者とともにプラットフォームを構築。地域資源の発掘、再認識から販路開拓までを総合的に支援できる体制を整える。この一環で、百十四銀行ではクレジットカード「114SalutCa」の利用者、新規入会者らに４県の特産品を贈る「スタートアップキャンペーン」も５月末まで実施中だ。
【百十四銀行綾田頭取のコメント】
　四国には、魅力ある産品やサービスが数多く眠っており、４行協働で魅力ある地域資源の情報を収集・発掘するとともに四国資源のブランド化推進に向けた枠組みの整備を進めていく。各行政機関や各地域の関係者との更なる連携強化を通じて、地域資源の発掘から販路開拓までを総合的に支援するプロデューサーの役割を担っていきたい。

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