10月5日号
今治造船㈱(愛媛県 檜垣幸人社長)は、丸亀事業本部(丸亀市昭和町)内に新ドックが完成。9月19日、竣工式を華々しく開いた。
新しく建設された3号ドックは長さ610m、幅80m、深さ11.7m。つり能力1330トンのクレーン三基なども整備されており、ドック・クレーンともに国内最大級となる。
新ドックでは、全長約400m、20フィート(約6m)換算で二万個コンテナを積載できる、世界最大級の大型コンテナ船を80日程度で建造する能力を持つ。
グローバル経済の進展により、拡大する海上物流を受けてコンテナ船の大型化が近年進んでいる。今治造船では2015年3月に、広島工場にて国内建造最大船型となる一万四千個コンテナ船の一番船を竣工させた。そして今年6月には、西条工場(愛媛県西条市)で二万個コンテナ船の一番船が竣工している。
同社は二万個コンテナ船13隻を受注済みであり、新ドックと西条工場で同型船を年間10隻建造可能な体制を整えた。
造船業界では、発注元の海運会社が建造単価を下げるために10~20隻を一括発注するケースが増えており、同社はこうした状況に対応するため、ドックを整備した。
世界の造船業界では昨年の新造船受注量がリーマンショック直後を大きく下回る二千万総トン割れと、受注環境の改善には時間を要するものと見られている。ライバルである韓国や中国で何基かの建造ドックの閉鎖などが聞こえており、操業度の落ち込みが見られるという。
海運マーケットは低迷を続けてきたが昨夏から回復基調に転じ始め、底を脱しつつあるという。
こうした状況を受けて、同社では新規受注が昨年度の20隻から今年度は年前半で30隻の受注を果たしている。船価は底値から回復しつつあるものの、受注競争は熾烈さを増しているという。
こうした環境の中で、同社は高品質・高性能な船を開発・建造することで、競争力を高めていく方針だ。新ドック建設は競争力強化の一環であり、同社では世界最新鋭のLNG(液化天然ガス)運搬船の建造、丸亀工場における曳航試験水槽・耐航性試験水槽の今年度中の完成などで、競争力強化を図る。
今治造船は新造船の建造量で2003年から13年連続で国内首位、世界トップ2となり、この10年で大きな成長を遂げている。
目次
- KAGAWA BIZ STYLE
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㈱高松三越 代表取締役社長 辻村 武氏 - 国内最大級の新ドックが完成 今治造船㈱
- 高松サンポート合同庁舎南館が完成、年内に14官署が順次入居
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