4月15日号
四国化成工業㈱(丸亀市 代表取締役社長兼C.E.O 田中直人氏)は、船舶の船底に積む重しとして用いられる〝バラスト水〟の処理装置向け薬剤「ネオクロール・マリーンⓇ」など塩素化イソシアヌル酸の更なる需要拡大に対応するため、徳島工場北島事業所内に新たなプラントの建設を決定した。
新規生産設備の概要は次の通り。
住所は徳島県板野郡北島町江尻字内中須一番地。延床面積約3850㎡(鉄骨ALC4階建て)。
工期は2020年8月着工、22年7月竣工予定。投資額約50億円。
設備投資の背景として、同社は1964年に国内で初めて塩素化イソシアヌル酸の量産化に成功し、プール用殺菌・消毒剤「ネオクロール」をはじめ、家庭要の衛生用品などのサニタリー分野や、浄化槽や入浴施設の衛生用品など、世界の様々な市場で水の衛生環境向上に貢献してきた。
一方で、世界では船舶によって年間30億トン〜50億トンのバラスト水が国際間を往来しており、それに伴う水生生物の越境移動による生態系への影響が深刻化。IMO(国際海事機関)では、04年にバラスト水管理条約を採択し、17年9月に発効となった。
同社では、これに先がけてバラスト水処理装置用「ネオクロール・マリーンⓇ」を開発し、12年10月にIMOの最終承認を取得し、13年8月に販売を開始。
条約発効に伴い24年9月までに外洋を航海する船舶へのバラスト水処理装置の装置が義務付けられたことから、今後も需要が拡大していくと予想している。
今も尚、水に困窮する人々が多数存在しており、同社の社会課題の解決に向けた衛生環境の改善など、グローバルな事業拡大に今後も注目していきたい。