10月5日号
今年12月に百周年を迎える仁尾興産㈱（三豊市仁尾町辛一、塩田建一社長）は、平成のはじめに、異業種多角経営に乗り出し、危機を迎えたと同社取締役経営企画本部長の高橋寛栄さん。
「当時から社員は三分の一になりました。私たちの原点である塩田に戻り、足元を固め一生懸命にやって気づいたら、にがりのトップシェアになっていた感じです」オリーブ車海老も、塩田跡の粘土質な土地を利用している。
高橋さん自身は、住み慣れた仁尾が嫌で夢だった演劇をと、東京に飛び出した経験がある。そのことが、仁尾のすばらしさに気づくきっかけになったと話す。ただ、会社では工場を担当することになり、女性として何ができるだろうか、考えさせられたと言う。
そこで、豆腐のすばらしさと伝えようと豆腐マイスターに行き着く。豆腐を通して食育はもちろん、和食の重要な部分を担う豆腐文化を継承できるよう、スタッフにも声をかけ、現在では５、６人の豆腐マイスターが仁尾興産㈱には在籍している。
昨年10月には旧本社である昭和20年代のレトロな建物を改装して、オリーブ車海老と豆腐メニューが楽しめる「にがり衛門」をオープン。カフェに訪れる人も多いが、豆腐作りの教室はランチまたは、スイーツとセットで、予約が必要だが人気である。
女性ならでは、の発想で新しい基盤が百年の企業に出来上がっている。
「自分たちのアイデンティティーを崩さず、本来の塩田だった事業を固めて二百周年を目指したい。それが百年を迎えた企業の使命だと思う」と笑顔を見せてくれた。
cafeにがり衛門（三豊市仁尾町辛１）
TEL.0875-23-6655
営業時間 10時〜16時（火曜定休）
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