5月25日号
トモニホールディングス㈱(高松市 中村 武社長)の2020年3月期連結業績は、経常収益710億33百万円(前期比22億53百万円減)、経常費用596億55百万円(同25億82百万円増)、経常利益113億78百万円(同48億35百万円減)、当期純利益81億36百万円(同20億27百万円減)で4期ぶりの減収減益となった。
有価証券利息配当金、国債等債権売却益の減少が響き減収。株式等売却損、株式等償却の増加に加え、今年1月の徳島銀行と大正銀行合併にともなうシステム関連経費等を20億70百万円計上したことにより経常費用が増加。結果として減益幅が広がった。
中村社長は「第4次経営計画の初年度、昨年11月に香川銀行本店ビルがグランドオープン、今年1月に徳島大正銀行がスタート、地域とトモニファンドを立ち上げ、大学・高専と産学連携を組成するなど、大きな一歩を踏み出した。本業利益は、今期の特殊要因である徳島・大正の合併にともなうシステム関連経費を除けば、ほぼ前期並みで底堅く推移した。一方で、リスク管理面での課題が明確となった1年でもあった」と報告。
グループの中核2行の単体業績は、香川銀行が経常収益278億71百万円(同1億46百万円増)、コア業務純益68億96百万円(同1億64百万円増)、経常利益38億58百万円(同24億25百万円減)、当期純利益25億99百万円(同16億71百万円減)。
譲渡性預金を含む預金等は485億円増加し1兆5953億円、総預り資産は429億円増加し1兆7300億円、貸出金残高は264億円増加し1兆2863億円となった。
自己資本比率は九・二一%。金融再生法開示債権額は22億28百万円増加の259億94百万円で、総与信に占める割合は一・九九%となっている。
徳島大正銀行は、2行の合算ベースで経常収益363億96百万円(同16億円減)、コア業務純益76億87百万円(同20億91百万円減)、経常利益65億77百万円(同29億31百万円減)、当期純利益46億34百万円(同8億68百万円減)。
譲渡性預金を含む預金等は214億円減少し2兆85億円、総預り資産は316億円減少し2兆1214億円、貸出金残高は817億円増加し1兆6301億円となった。
自己資本比率は七・八一%。金融再生法開示債権額は28億18百万円減少の230億15百万円で、総与信に占める割合は一・三九%。
2021年3月期の通期業績予想はトモニHDが経常利益111億50百万円、当期純利益73億円、香川銀行は経常利益41億円、当期純利益26億円、徳島大正銀行は経常利益74億円、当期純利益51億50百万円。
なお、新型コロナの影響で、資金繰りに切迫している事業者が拡大するなか両行も全面的な支援に取り組んでいる。香川銀行は3月末で事業性融資先が13083先あり、4月末までに7101先に資金意向の確認を済ませた。うち1374先から479億円の融資相談があったという。そのうち237先に79億円の融資を実行した。さらに123先、154億円は既存融資の条件変更で対応。5月1日にスタートした無利子の制度融資は、5月12日時点で受付789先、156億円、今後の受付予定が1500先、180億円となっている。
遠山会長は退任2行の頭取も交代
決算にあわせ発表された役員異動で、香川銀行の遠山誠司取締役会長(代表取締役)が退任し、平成29年6月に頭取へ就任した本田典孝頭取が取締役会長に、取締役頭取(代表取締役)に山田径男常務取締役(代表取締役)営業本部長の昇格が報告された。近石政義常務取締役は専務取締役(代表取締役)に昇格する。
本田頭取は「この3年間、収益力強化、法令遵守の徹底、人材育成強化に取り組んだ。厳しい中だがステークホルダーの指導と協力、行員の努力で十分とは言えないながらも一定の成果を上げられた。
昨年4月から4年間の第18次経営計画で、Reborn The New KAGAWA BANK 〜力をつなぎ、新たな香川銀行へ〜をテーマに掲げた。50年100年後を見据え成長発展させようとことで、計画2年目の今年、飛躍に向けて経営体制を一新して臨むこととした。
明朗活発で厳しい環境下でも乗り切れる人間力、気力、体力の備わった人物」と次期頭取の山田常務を紹介。
山田氏は「4ヶ年計画を遅滞なく進め、時代の変化に合わせ4年間で銀行をリボーンさせたい。新型コロナショックで顧客の多くが相当に痛手を受けている。寄り添って親身になってしっかりとした支援をしていきたい。その支援のできる行員を育て、支援のできる銀行の収益力、健全性の優位性の維持、向上にも努める。我々はチャレンジャー、何事にもスピード感を持ち積極的にチャレンジする」と意気込みを語った。
遠山会長は「旧本店は昭和44年末に竣工。昭和45年4月に入行し旧本店とともに銀行員生活を歩んできたが、旧本店の解体が始まり退任を意識し、新本店の完成までが私の仕事だと思い続けてきた。平成15年頭取に就任し、平成20年頃から、当時徳島銀行の柿内頭取と地域銀行の経営統合を立ち上げ、10年前にトモニHDを設立した。当初は2行合わせ50億だった最終利益が、昨年決算で100億円を超えるところまで成長した。トモニを立ち上げて本当に勝ち残れる銀行になった、他行に負けない確固たる基盤ができたと強い思いを持っている。そして、18次経営計画でリボーン、つまり生まれ変わり再生する、をテーマにしており、新しい人たちが次代を担うことが必要だ」と退任の経緯を説明した。
また徳島大正銀行も柿内愼市代表取締役会長が取締役会長、吉岡宏美代表取締役が取締役副会長、吉田雅昭代表取締役副会長が取締役副会長、新しい代表取締役頭取に板東豊彦代表取締役専務の昇格を決めた。
香川銀行の山田新頭取は昭和32年生まれ62歳。関西大卒。昭和55年㈱香川相互銀行入行。川之江、丸亀・丸亀西支店長などを歴任、平成17年に人事研修部長。平成20年常務取締役に就き、総合企画部・人事研修部担当、企画本部長、管理本部長・総務部長、平成29年より常務取締役(代表取締役)営業本部長を務める。
徳島大正の板東新頭取は昭和44年生まれ50歳。平成5年入行。洲本支店長、東京支店長、人事部長を経て、平成23年取締役就任。取締役常務執行役員、常務取締役、専務取締役を経て平成30年代表取締役専務審査本部長、今年4月より代表取締役専務。
定時株主総会後の役員体制は次の通りとなる。
【トモニホールディングス】6月24日付
(監査等委員である取締役以外の取締役)
▽代表取締役社長兼CEO 中村 武
▽取締役副社長 山田径男
▽取締役副社長 板東豊彦
▽常務取締役 藤井仁三
▽常務取締役 白薊敬三
▽常務取締役 横手俊夫
▽常務取締役 小田寛明
▽取締役 角田昌也
▽取締役(社外) 白井博雄
(監査等委員である取締役)
▽取締役 監査等委員(社外) 多田 桂
▽取締役 監査等委員(社外) 大平 昇
▽取締役 監査等委員(社外) 橋本潤子
▽取締役 監査等委員(社外) 桑島洋輔
(退任)▼本田典孝(取締役副社長)▼吉岡宏美(取締役副社長)▼吉田雅昭(取締役副社長)
【香川銀行】6月23日付
(監査等委員である取締役以外の取締役)
▽取締役会長 本田典孝
▽取締役頭取(代表取締役) 山田径男
▽専務取締役(代表取締役) 近石政義
▽常務取締役 川井幸治
▽常務取締役 長町亘洋
▽常務取締役 関 幹生
▽常務取締役 有木 浩
▽取締役 山下友規
▽取締役 喜岡均
▽取締役 金岡紀嘉
(監査等委員である取締役)
▽取締役 監査等委員(社外) 永田 浩
▽取締役 監査等委員 鎌田国久
▽取締役 監査等委員(社外)岩村浩二
(退任)▼遠山誠司(取締役会長(代表取締役))
【徳島大正銀行】6月23日付
(監査等委員である取締役以外の取締役)
▽取締役会長 柿内愼市
▽取締役副会長 吉岡宏美
▽取締役副会長 吉田雅昭
▽代表取締役頭取 板東豊彦
▽代表取締役専務 石井隆明
▽代表取締役常務 佃 充生
▽常務取締役 吉岡真喜男
▽常務取締役 沖田拓司
▽常務取締役 田中義人
▽取締役常務執行役員 山城欽二
▽取締役常務執行役員 山本力士
▽取締役執行役員 吉尾政人
▽取締役執行役員 村越和人
▽取締役執行役員 西村 博
▽取締役執行役員 池田憲章
(監査等委員である取締役)
▽取締役 監査等委員(社外) 吉次範孫
▽取締役 監査等委員 橋本 真
▽取締役 監査等委員(社外) 孝志 茜
(補欠の監査等委員である取締役)
▽補欠取締役 監査等委員(社外) 本田利広
(退任)▼岡﨑悦夫(取締役)