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10月15日号

 高級食パンのブームが続いているなか、このほど高松市内に新しく2つのこだわり食パンの販売が始まった。高松市内ではこれまでに、4つの高級食パン店が市内中央商店街を中心に出店しており、既存のパン店を含めた顧客獲得競争が激しくなりそうだ。
 9月20日、丸亀町商店街にグランドオープンしたのは、「偉大なる発明(高松店)」という一風変わった名称の店舗。全国でベーカリープロデュースを行う岸本拓也氏(ジャパンベーカリーマーケティング=横浜市)が手掛ける人気食パン店だ。朝からウワサを聞いたパン好きが集まり、午前10時の開店前には店舗入り口から100人を超える行列ができた。
 同店は鹿児島県の「㈱AZoom」(若松孝一郎社長)が経営し、これまでに九州・中国地方などに7店舗を展開している。奄美大島の黒糖など、鹿児島ならではの食材を使い、コクのある奥深い甘味や口どけの良さを出している。
 食パンはプレーンの「新熟成」2斤800円(税別)、大粒サンマスカットレーズンの「果樹園」980円(税別)の2種類。予約はなく、当日に発行する整理券で購入可能だ。


 もうひとつ、9月から高松市内でこだわり食パンの販売を開始したのが、「㈲井上誠耕園」(小豆郡小豆島町池田882-6 井上智博園主)。
 2018年から小豆島のオリーブ畑で営業している、同園のパン工房「菊太郎」で人気の「生食パン」を、田町商店街の「井上誠耕園 田町店」で販売開始した。これまで小豆島に行かなければ、焼きたてを買うことができないパンとしてファンを泣かせてきたが、ついに高松市内でも購入できるようになった。販売の知らせを聞いた顧客から多くの注文が寄せられ、一時は生産が受注に追い付かなくなる状態になったが、販売サイクルを変更するなどして対応し、現在は通常通り販売している。
 この菊太郎の「生食パン」は、オリーブと柑橘農家「井上誠耕園」の井上園主が、「オリーブオイルを美味しく食べるためのパンを作ろう」と、試行錯誤を重ねて開発した。一つ一つ、全ての工程を手で行い、丁寧に作られたこだわりのパン。一番の特徴は生地がキメ細かく、オイルが染み込みやすいこと。ほんのりと優しい甘さで上品な味わいだ。
 サイズは2種類で2・4斤870円(税込)、1・2斤440円(税込)。予約制で金曜日に注文すると、月曜日の14時から店舗で受け取ることができる。
 全国的に加熱する高級食パンの出店ラッシュだが、香川県にも今年に入り新規出店の波が押し寄せてきた。8月に高松市木太町に「HARE/PAN(ハレパン)」がオープンしたばかりだが、高級食パン専門店はコロナ禍にあってほとんど影響を受けずに増収増益といわれており、まだまだ新しい店が高松に上陸しそうな気配がしている。次はどんな店が登場するのか、今後のさらなる盛り上がりに期待したい。


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