12月5日号
国内のサービス提供事業者から、〝きらり〟と光る優れたサービス、新しいやり方を実現しているサービスを表彰する「日本サービス大賞」。
(公財)日本生産性本部 サービス産業生産協議会が主催。総務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の後援する顕彰制度だ。
3回目となる今年、全国より762件の応募があり、主催者委員会の審査を経て30社が入賞した。
内閣総理大臣賞に輝いた㈱小松製作所(東京都)はじめ、総務大臣賞の森ビル㈱/チームラボ㈱、国土交通大臣賞の㈱星野リゾートなど、大手企業も多く選出されたなか、四国地域から唯一入賞したのが、経済産業大臣賞の徳武産業㈱(さぬき市大川町富田西三〇〇七 西尾聖子社長)。香川県内の企業としては初受賞。
「役員、従業員が一丸となってこれまで継続してきたことへの高い評価に、身の引き締まる思いでしたし、今後もしっかり引き継いでいかなければと思いを新たにしました」(西尾社長)
介護シューズ「あゆみ」で知られる同社。歩行が困難な高齢者や障がい者らに、つまずきにくく安心して歩ける靴を開発し製造販売。年間に約150万足を販売する。介護シューズ業界のシェアは数量ベースで50%を超える。
先ごろ、菅 義偉総理、関係大臣らを迎え都内で表彰式が開かれ、西尾社長、あゆみシューズを25年前に商品化した十河孝男会長が出席した。
十河会長は「中小企業がお年寄りのシューズに初めて挑戦し、片方だけや左右サイズ違いの販売、靴底の厚さを左右変更するなどパーツオーダーシステムで利用者のニーズにあわせ個別対応するという、業界の常識を打ち破ったサービスを提供したこと、そして利用者の心に寄り添うサービスを徹底していることが認められたのではないか」と喜びの声をあげる。
コロナ禍の影響を受け売上は微減したというが、「危機感を持ったことで、無駄な部分が浮き彫りとなったことは今後の大きなプラス要因」とポジティブに思考。すでに新規戦略部を立ち上げ「あゆみシューズ」の延長上にある新たな事業計画を進めている。
一方で企業・従業員を守るため
の防災対策も注力中。発電機を導入し、本社敷地内では井戸を掘削し飲用可能な地下水を確保しているという。