1月15日号
(学)村崎学園(徳島市)は、さぬき市志度にある徳島文理大学 香川キャンパスの全面移転計画を発表。
計画では、2025年4月に、香川キャンパスの全学部・研究科が高松市に移転するというものだ。
移転先はJR高松駅(高松市浜ノ町)の北西部隣接地で、昨年5月に営業を終了したコナミスポーツクラブ高松の跡地。敷地面積は約2000坪。地上17階、地下1階の建物に、教室、研究施設、図書館、体育館、音楽ホール、食堂を備える都市型キャンパスを整備するという計画で、土地はJR四国より取得する。
徳島文理大学は、私立裁縫専修学校を母体に、1966年徳島女子大学(徳島市)として創立。1972年、徳島文理大学へと改称し、1983年に香川キャンパス(さぬき市志度1314-1)が誕生した。
香川キャンパスは文学部、理工学部、保健福祉学部、香川薬学部、大学院(文学研究科、工学研究科、薬学研究科)を設置している。
在学生は約1300人で、約6割の学生が近隣のアパート等に入居し自宅外から通学中だという。
移転を決めた背景には、一部の学部では定員割れという厳しい現実もある。移転により充実環境と利便性をアピールし、広域から学生を集める考えだ。
現キャンパスはさぬき市天野峠の西側中腹にある文教地区に所在し、エリアにはさぬき市音楽ホール、志度総合運動公園(野球場・テニス場)などがある。旧志度町を象徴するエリアのひとつだけに、今回の移転発表は地元に大きなインパクトを与えた。
当然ながら、移転歓迎ムードが多い高松市とは反応が違う。
「高松駅キャンパスの完成後、香川キャンパスは学生の課外活動に利活用する」と発表されたが、利便性や維持コストを考えた場合、果たしてどこまで活用されるかは未定で、不安感が強い。
奇しくもさぬき市では、県教育委員会から市内の県立3高校(志度、津田、石田)の統合再編案が示され、危機感を強めた卒業生や自治会代表らが署名活動に奔走。統合後も現在地で専門科を学べるキャンパス方式を提言するなど、地域で学校存続問題を抱えている。
文理大による突然の発表で、大きな二つのキャンパス問題を抱えることとなったさぬき市。若者の学びの場が減少することは地域にとって大きな痛手であり、将来を見据えた行政のスピーディーかつ具体的なアクションが待たれるところだ。