4月25日号
25年ぶりに、高松港と坂出港の長期構想検討委員会が開催されるなか、(一社)香川経済同友会(高松市紺屋町1-3 合田耕三代表幹事 間島賢治代表幹事)では、これから20年〜30年後の香川県のまちづくりの方向性に大きな影響を及ぼす高松港、坂出港の港湾整備のあり方を提言。4月13日、浜田恵造香川県知事、大西秀人高松市長に、16日に綾 宏坂出市長に提言書を提出した。
香川経済同友会では、平成3年に高松港頭地区開発構想の提案をしてから、今回で10回、港湾整備関連の提案を続けている。
高松港はこの10年、瀬戸内国際芸術祭含めインバウンドに評判が良く、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった今、アフターコロナの盛り上がりに期待が高まるこの機に、魅力ある瀬戸の都づくりに着手すべきと、4つの提言がされた。
一つ目は、高松玉藻地区のウォーターフロント空間の拡大として、高松港サンポートエリアから北浜アリーを結ぶエリアに中核的な位置を占める中央ふ頭に、インバウンド及びクルーズ受け入れの対応を図るとともに、緑地整備、民間資金を活用した物販、宿泊機能を有する複合集客拠点の整備の提案がされた。
二つ目に、瀬戸内海の魅力を活かしたクルーズ船誘致を進めるため、中心地へのアクセスの良いサンポート高松で10万トン級の大型国際クルーズ船の受け入れ環境整備を提案。
三つ目に、四国一の国際コンテナ物流拠点の確立を図るため、現在定期航路を有する中国、韓国航路だけでなく、中長期的に国際的連携が進むとされる東南アジアとの新たなコンテナ航路の開設を目指す。そのために、外航コンテナ船の情勢を見据えたハード整備ほか、港湾分野のAI化等の導入、高松坂出線から高松港へのアクセス機能の強化などが必要と指摘。
四つ目に、坂出総社地区多目的ターミナル整備による坂出ふ頭の再編のため、新たな定期RORO航路誘致の実現及び中央埠頭地区における吃水調整と、林田地区の過密な湾岸利用の解消のため、新たな埋立地の整備が挙げられた。
提言を受け、浜田県知事は、いずれの提案もにぎわい創出において重要とし、その上で瀬戸内海では夜間航行の制約もある点、現在進めている都市計画での課題、財政等が厳しい状況で選択の必要があると述べた。
合田代表幹事は、
「少子高齢化で経済維持も難しいが、地域が輝くため、交流人口を含めた文化、芸術、人のふれあいのある地域がこれからは栄えていくと考える。民間にチャンスをいただきオープンな議論が出来るとありがたい」と締めくくった。