4月25日号
「人材」に関わる経営課題を抱える中小企業・小規模事業者の比率は非常に高い。人材確保や育成という課題だけでなく、そこには後継者問題もある。
経営者の高齢化、後継者不在等による、中小企業・小規模事業者の廃業リスクは、長引くコロナ禍で高まっており、大きな危機に直面している。
四国経済産業局より委託を受け、高松商工会議所が平成26年に設置した香川県事業引継ぎ支援センターは、(公財)かがわ産業支援財団が設置し主に親族内承継を支援してきた香川県事業承継支援窓口と統合し「香川県事業承継・引継ぎ支援センター」として、昨年4月よりスタート。
県内事業者の親族内承継から第三者承継、経営者保証の見直し、廃業支援までワンストップで相談を受け、事業引継ぎに向けた支援を実施。事業承継の総合支援拠点として、令和3年度の相談件数は大幅増となった。
3年度の相談件数は615件。内訳は、第三者承継224件(2年度実績132件)、譲受(買い)120件(同115件)、後継者バンク(買い)28件(同17件)、親族内承継(後継者有)243件(同64件)。
支援窓口との統合により親族内承継の相談が大きく増加、センターが実績を重ね知名度も向上したことで、第三者承継はじめ全体の相談件数を伸ばした。
センター開設の平成26年度以降、累計の相談件数は1773件となっている。
譲渡(売り)相談件数224件の平均は、売上高1億3300万円、従業員9・4名、経営者の平均年齢は65・5歳。啓発効果等により、売上高規模、従業員数が拡大し、相談者の年齢も若くなっているという。
相談は金融機関や商工会議所等からの紹介比率が高いが、経営者本人からの申し出も増えている。また、新型コロナの影響もあり、飲食、サービス業からの相談件数が伸びている。
3年度の引継ぎ成約件数は62件。第三者承継は前年並みだったが、親族内承継が26件成約し全体の成約数を押し上げた。引継ぎ成約により、雇用継続した従業員数は566人となった。
3年度は、商工会議所、商工会との共催、行政の後援を得て県内全域で事業承継個別相談会を実施。全11回で81件の相談を受け付けた。今年度も引き続き個別相談会や事業承継セミナーを開催していく考えだ。
事業承継の相談は、香川県事業承継・引継ぎ支援センター(高松市番町2-2-2 高松商工会議所会館1階 安藤陽德統括責任者)まで。☎087-802-3033