6月5日号
5月18日に瀬戸内国際芸術祭実行委員会第31回総会が開催され、実行委員、アドバイザー44名が出席した。
実行委員会会長の池田豊人県知事を進行役に、令和4年度事業報告及び補正予算について、議案として専決処分事項の承認、令和4年度収支決算の認定に関する権限の委任、次回瀬戸内国際芸術祭の開催、令和5年度事業計画(案)及び収支予算(案)について議案が出された。
2022年の開催は105日間で、33の国と地域から188組のアーティストが参加、213作品、19イベントを展開した。総来場者数は723316人。
事業費は新型コロナウイルス感染症対策事業費に伴う減があったものの、収支差額は2億5940万7千円。翌年度事業費へ繰り越される。
次回瀬戸内国際芸術祭は6回目。2025年に開催が承認され、引き続き総合プロデューサーに福武總一郎 福武財団名誉理事長。総合ディレクターに北川フラム アートフロントギャラリー代表が就任。総会では、大西秀人高松市長らから、インバウンド増に伴う言語、オーバーツーリズムへの懸念や今後の対策、次回の瀬戸内国際芸術祭は今後の大きなキーポイントになるだろうと意見が出た。今回は総会前に県内市町の首長との意見交換会も開催された。
総会後、北川総合ディレクターは、「次回芸術祭は、基本は変わらないが、各市町がやろうとしている事を瀬戸芸が一緒にやっていくこと、また瀬戸内は四国山脈と中国山脈の間全体が瀬戸内となると考え、工夫し1年かけて丁寧に方向を検討していく。
作品だけでなく地域の魅力が世界的に広がり始めた。芸術祭はリピーター率4割、滞在日数は2、8日を超える。こうであると決めず、アーティストも多様であることで芸術祭は面白くなると考えている」と話した。
具体的には福武プロデューサーから、「北川さんとも初心に帰り、もう一度地域でおこなう芸術祭のあり方を見直していこうと話している。今までは島が中心だったが、四国本土、本州本土側にも、地域振興、芸術振興、伝統文化の掘り起こしを広げていく。
広げることが目的ではなく、地域を元気にすることが一番の目的。オーバーツーリズムへの受け皿としても考えている。香川県、岡山県、大阪万博からつながる地域の美術館7、8館とも交渉中。
芸術祭はあくまでトリガーで、地域の人、企業が中心にとなって貰うことがこれから目指す芸術祭と思う。」と話す。
池田実行委員会会長は、「大阪万博との同時開催は、相乗効果があり嬉しい反面オーバーツーリズムが心配される。フェリーの積み残し等の交通問題もこれから準備したい。
また外国語対策もしっかりしなければならない。万博からは、万博への誘客を瀬戸芸側にも考えて欲しいと要請を受けている。
地域とのつながりをより強め、地域産業、イベントと瀬戸芸の掛け算をより強化したい。具体化を図っていく。これまで以上の芸術祭になると今からワクワクしている」と語った。