ホーム刊行履歴6月25日号

刊行履歴

6月25日号

 1992年に現在地へ本社および工場を移転。約2万㎡という敷地内に、本社事務所と4棟の工場を構えているが、このたび新第一工場が竣工した。
 海外市場向けの大型クレーン需要が増えており、既存工場が手狭となっていること、スタッフが安全に作業できる環境の整備が狙い。
 同社は、梶尾哲夫会長らが1968年に3人で溶接業を創業。1990年代初頭にタダノの協力工場となり、ラフテレーンクレーンのシャシーフレーム等を受注し事業を拡大してきた。
 鉄の切断からプレス・機械加工・製缶(溶接)・下地塗装までの高い技術と、一貫体制が強み。
 現在稼働中の第一工場には板金加工、機械加工の両部門が入居しているが、約2千㎡の広さがある新工場に板金加工部門を移管し、新工場は板金加工部門を担う。ブレーキプレス、最新のレーダー加工機など設備の据付を済ませ今年10月下旬頃の本格稼働を目指す。製造能力は2割程度向上するという。
 別棟の第二工場にもある機械加工は、新工場完成に合わせ現在の第一工場へ移し、機械加工部門を第一工場に集約する。
 第三工場は小型の溶接加工、第四工場はクレーンシャーシ、新事業のコンテナなど大型の溶接加工組立てに特化する。


 建設用クレーンメーカー㈱タダノの協力工場として、同社製品の部品製造を主力に展開する㈱三祥(高松市三谷町3529-8 梶尾哲也社長)。
 また近年は、脱着ボデー車用のコンテナ製造にも参入。スタッフから提案があり開発した歩行器も試作品が完成しており、ブラッシュアップを図り製品化を目指すなど、クレーン部品以外の領域でも事業を拡大していく。
 梶尾社長は、「約110名のスタッフが勤務中で、うち約30名はミャンマーからの技能実習生。受注状況、設備を考えると新第一工場稼働により、120名以上は必要だと感じている。設備と人材がある会社が最後は生き残る」と、人材が当面の課題だと話す。
 工場の自動化は進んだが、職人の繊細な技術が欠かせない同社のモノづくり。高い技術力を継承する若い人材を確保するため、職場環境整備など魅力ある組織作りに努めている。
 地域スポーツ支援、少年野球教室、高松南部運動公園のネーミングライツなど地域貢献の取り組みを強化し、企業ブランドの向上も図っていく。
 5〜6年後に、現在の第二工場を建て直し、塗装工場と出荷ラインの整備を計画する。この塗装工場の2階には社員の食堂スペースを拡張する考え。また、工場屋根に太陽光パネルの設置を進め、災害時の近隣住民のための緊急避難所の役割も持たせるという。
 6月3日には、高松国際ホテルに社員、取引先関係者ら約60名を迎え、創業55周年記念・新第一工場竣工祝賀会を開催。
 祝宴に先立ちタイガースOB会会長の川藤幸三氏が「挑戦」をテーマに記念講演。自身の野球への挑戦を振り返り「やる気と執念を持ち、大きな目標を掲げながら挑戦を続け、100周年を目指して欲しい」と川藤節でエールを届け、梶尾社長に「挑戦」の色紙を贈った。梶尾社長は「皆さんの力をお借りし前進していきたい、地域の皆さんに喜ばれる会社となるよう努力していく」と挨拶した。


目次


  •  

一覧に戻る