12月5日号
高松市中心部にある中央公園の再整備に向けた検討委員会(委員長:西成 典久 香川大学経済学部 教授)の第2回が11月上旬に開催され、既存施設を活用した多様な使い方ができる案をベースに具体的に進めていくことが決まった。また、注目されていた樹木の伐採については、大規模な伐採はおこなわず、最大限保全しながら再整備することが明示された。委員会は公開でおこなわれ、傍聴席には市民20人が集まった。
中央公園の再整備については、これまでに、園内にカフェなどを設置し、その収益の1部を公園整備費としてまかなう、公募設置管理制度(Park︱PFI)の導入や、洋菓子店「ルーヴ」の園内への出店などが決まっていた。一方で、市民から、樹木の大規模な伐採に反対する2500名以上の署名などが提出されており、2回目の委員会で具体的なイメージ図を発表するとして注目されていた。
委員会では、日本樹木医会香川支部による調査の結果、園内の樹木は全体的に過密状態であることや、全体の約1割が「不良」の状態であることなどが説明され、枯れているものや倒木の恐れがあるもの、樹木が過密状態となっている場所など、生育上や防犯上などで問題となる樹木のみ伐採や間引きなどをおこなうこととし、大規模伐採はおこなわず最大限保全する方向で進める事が説明された。
その上で、①芝生面積を現在の約3千㎡から約5千㎡に広げて既存施設を活用していく案と②大規模イベントなどを開催できるよう芝生面積を1万㎡まで広げる案の2つが示され、イベント時のみでなく、日常の市民の憩いの場であることを重視する委員の意見などから、①案をベースとして進めていくことに決まった。
委員会の終了後、西成委員長は「大規模な伐採はせず、既存の樹木を最大限保全しつつ、市民の様々なイベントができる、より利活用しやすい公園作りが示せたのではないか。上空から見るとそれほど変わっていないかもしれないが、実際にグランドレベルで立った時には、素晴らしいものが出来たと感じるようなものにしたい」と話していた。
また、署名を提出した高松中央公園の樹木を守る会事務局の木村栄さんは「樹木の伐採規模を一番心配していたが、思ったよりも伐採される規模が少ないという印象をはっきり受けました。この先、中央公園が色んな人々にとって良い公園になりそうだと期待できるような会でした」として評価していた。
次回の委員会は1月下旬におこなわれ、今回の内容をもとにした設計素案を示す予定で、残り2回の委員会を経て今年度中に基本設計を決定する方針。
◎検討委員会
開園から35年以上経過し老朽化している中央公園の再整備に向けて高松市が設置した委員会。学識経験者や高松商工会議所、関係する行政の担当者など15名が委員を務める。全部で4回の予定で、今回が2回目の開催だった。