2月15日号
高松競輪場は1950年の開場で施設の老朽化や売上の減少で存廃問題が持ち上がったが、ナイター設備を設置して開催したミッドナイト競輪で一時売上を回復したものの、その後のコロナ禍で再び悪化した。
そこで2021年4月より高松競輪場の車券販売や選手宿舎の運営などの包括運営を民営化。高松市から受託し業務しているのは㈱チャリ・ロト(東京都品川区 上田博雄社長)。
高松市が提案を募集していた再整備事業の公募型プロポーザルを募集していたところ、優先交渉権者に同社グループが選定されたとして公表。その後に正式に再整備事業の実施事業者に選定されたチャリ・ロトグループは㈱チャリ・ロト、㈱梓設計関西支社、㈱四電技術コンサルタント、大成建設㈱四国支店、㈱日栄建設。2024年4月より順次業務を開始。
同グループの事業提案書で、現競輪場を大きく、「競輪エリア」「ホテル」「パークゾーン」「スポーツゾーン」「マーケットゾーン」に分ける。
中でも目玉となるのは競輪場の西側に新たに作る競輪場ホテルだろう。高松都市圏のサイクルツーリズムのハブともなるもので、非日常体験を味わえる空間とする。ここから市内周辺や島嶼部へのサイクルツアーなども企画。他にもサイクリスト向けの各種サービスの提供を通じて、広域からの高松への集客、臨海部への送客を行いサイクリストを拠点化。
これまでは公営ギャンブルの競輪を利用する層にのみにアピールしていた競輪施設を、自転車を媒介として、知る、観る、遊ぶ、競うことを総合的に体験出来る場の演出を行う。
これまでの競輪場施設は老朽化から建て替え、現状の利用客数に合わせ現在の施設延べ面積の約3分の1に規模を縮小し建設。適性規模で快適なサービスを提供する最新施設を提供する。ガラスで仕切られた空調の効いたスタンドに座って、ゆったりしたシートでレースが観戦できる。
一方で競輪場西側の駐車場区画を縮小。都市型スポーツゾーンには競技BMXなど新しく注目の自転車の楽しみ方をサイクリスト等に提案する。未来の競技者が巣立つ場所に。パークゾーンは芝生が拡がる憩いと遊びのゾーンとして、地元の多世代に向けてイベントなどを開催。隣接する場内管理等には、多目的なスペースを設置して、パークゾーンを含めパブリックスペースに開放する。
マーケットゾーンでは地元客やツーリストなど商業と連携した高松の魅力発信。日曜マルシェや沿道に並んだショップなどをイメージ。子供向けチータカ広場に遊具を設置する。
全体の施設テーマは「自転車文化を想像するハイブリッド競輪場」。施設と隣接する近隣エリア対策として、敷地内の緑化にも力を入れる。
競輪場再整備する高松市は約75億円を負担、DBO方式で委託されるチャリ・ロトグループから30年間の借地料を25億円が負担金となる。競輪場が令和9年度、新エリア令和10年の完成を予定する。