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6月25日号

 ▽県内第9号もにす認定
 香川労働局(栗尾保和局長)は、障害者雇用の促進、雇用の安定に関する取り組みの実施状況などが優良な中小企業主を厚生労働大臣が認定する「もにす認定」の通知書を、㈱瀬戸製作所(三豊市三野町 藤田紹宏社長)に交付した。同社、本社での従業員数104名に対し5名、実雇用率5・58%で、内3名が勤続年数10年以上となる。
 時間単位の年次有給休暇の活用に積極的で、通院に利用して貰い、中長期の入院、療養が必要な際には、職場復帰プランを策定、実施している。福祉施設と連携を取り、働きやすい環境作りにも努めている。
 交付式には、栗尾局長はじめ、香川労働局5名、ハローワーク観音寺から2名が、同社工場で実際に障害者らが働く姿を見学した。香川労働局では、実際に現場を見てまわろうと、1月にはユースエール認定の交付に丸虎食品工業㈱を訪れている。もにす認定交付では、三豊市の瀬戸製作所が初となった。



▽世界に誇る技術力
 瀬戸製作所は、1952年に大阪市で設立された。設立者の生まれ育った地である三豊市には1968年に四国工場を設立し、油圧製品製造を手広く展開していた。
 2000年からは、ナブテスコ㈱との取引が多くなり、一社のみの取引をスタートした。9割以上の製品、油圧コントロールバルブの製造を続け、2005年に中国青島、2013年にベトナムダナンに工場を設立。油圧コントロールバルブは、6t以下の建設機械に使用される50㎝四方のものでありながら、油圧ショベル等を操作する「頭脳」の役割を果たす。動作のための弁内で主軸がスムーズに動き、油漏れしないミクロン単位の隙間が必要となる高い精度が求められる。同社では、海外工場と連携し、部品製造から組み立て、性能評価テスト、完成品となる塗装までを一貫しておこなっている。小型建機における世界シェアは約3割。現在までの約20年、業績はコロナ禍も含め右肩上がりで、今後も先進国を中心に小型建機の需要はまだ伸びると予想されている。

▽任せて安心を届ける
 2022年、ベトナムでは歴史的豪雨があり、同社工場も被災。約3億円の被害があったが、素早い復旧の姿を見せた。2023年には、国土強靭化貢献団体レジエンス認証を取得。翌年にはベトナム工場での功績により、日本の事業継続(BC)の普及及び実践に貢献した個人、団体に贈られるBCAOアワード 優秀実践賞を香川県で初めて受賞した。
 現在、本社敷地内で工場建屋の増築が進められており今年11月には完成予定。また、15年の計画で現在の工場の建て替え等を予定している。藤田社長は「今は、ナムテスコのパートナーとして手がいっぱいであるが、将来的にはさまざまなメーカーとの取引も考えなければいけない。顧客満足度、従業員の働きやすさを考えて増築等に踏み切った。現状をまずは充実させ、今後求められるものが変化しても対応できるよう、組織力の強化、マネジメントできる人材確保を考えている。もにす認定では、適材適所を考えてきたが、社内外の協力なくしては出来なかった。しっかりと地に足をつけ、今後も雇用に注力していきたい」と話す。
 いくつかの世界的大手メーカーからは既に試作品の受注もある瀬戸製作所。メイド イン ジャパンの精密機器を社員が一丸となって、製造している。


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