7月25日号
(独)中小企業基盤整備機構(以下略称:中小機構 本部:東京都港区虎ノ門 宮川 正理事長)は、今年度の功労者感謝状の贈呈と、中小企業応援士の委嘱を行った。
「中小企業応援士制度」は、2019年度からスタートし、地域の中小企業・小規模事業者の経営支援をしていくため、地域で意欲的に活躍している経営者等の力を借りて取り組んでいこうとする制度。
香川県では、6月24日に、メロディ・インターナショナル㈱(高松市林町)の事務所にて、に、中小機構四国本部より功労者感謝状の贈呈と「中小企業応援士」の委嘱が行われた。
「今回の委嘱を契機に、香川県の企業へ公的支援を届け、利用案内を積極化できればと考えております。香川県のスタートアップ企業であり、これから起業したいと考えている女性のモデルケースになってくれるのではないかと、メロディ・インターナショナルさんを選定しました。共に地域からの発信を強化していきたいと、思っています」。と中小機構四国本部。
メロディ・インターナショナル㈱は、香川大学発スタートアップ企業として、2015年に設立。妊婦さんと赤ちゃんの安心・安全のための周産期遠隔医療プラットフォーム 「Melodyi(メロディ・アイ)」の構築および、妊婦と胎児体調を遠隔で確認できる機器、分娩監視装置iCTGの開発・販売を行う。
「iCTG」は、手のひらに収まるサイズの2つの携帯型の超音波装置で、妊婦の腹部にベルトで装着。ひとつは胎児の心拍計、もうひとつは母体の外側陣痛計となっている。通院が大変な妊婦や、リスクの高い妊婦の状態を遠隔で医師がモニタリングすることを可能にした。
尾形優子CEOは、京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻を卒業。
「妊婦さん自身でもお腹の張りの状態が自覚しやすくなり、安心に繋がります」。と尾形氏。
現在「iCTG」は県内の主要な産婦人科、クリニックなどで使用されており、また、国内では135カ所で採用されている。世界では開発途上国を中心に16カ国で実証や運用がされている。
さらに、「iCTG」の複数人のデータを一斉表示し、同時に閲覧できるなど、大幅に医療現場の業務の軽減できる、プログラム医療機器である「分娩監視セントラルシステムCentral i」を新たに開発して認証を取得。今年2月に発売し、来年度は本格的に広める方針。
「地域ぐるみで妊婦さんを見守る環境づくりも必要です。医師の働き方改革など医療現場が抱える課題解決にむけて一歩ずつですが、貢献できるよう努め、世界中の妊婦さんが安心して出産できる時代を目指しております」と尾形氏は抱負を述べた。