百十四銀行（渡邊智樹頭取）は、減収増益となった平成24年３月期決算を発表した。
　まず単体業績は、経常収益678億9700万円（前期比1.8％減）、経常収益125億2500万円（同93.2％増）、当期純利益58億5300万円（同19.7％増）を計上。一株当たりの年間配当金は７円。
　本業のもうけを示すコア業務純益は、経費（システム投資等物件費）の増加により、157億6600万円（前期比11.3％減）となった。
　次に連結業績は、経常収益769億4500万円（前期比2.3％減）、経常収益140億7500万円（同72.3％増）、当期純利益58億1300万円（同11.6％増）を計上。
　経常収益減収の要因は、市場金利低下に伴う資金運用収益の減少及び国債等債券売却益の減少が大きい。
　次に経常利益は、不良債権処理費用の減少、償却債権取立益の計上、株式償却（減損）の減少などにより大幅に伸びた。

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　ただ当期純利益は、経常利益の増加にもかかわらず、実効税率引き下げに伴う法人税等調整額の増加に伴い、押し下げられた数字となった。
　金融再生法に基づく不良債権額は、要管理債権の増加に伴い800億3000万円（前期末比160億7100万円増）を計上。これにより債権合計に占める不良債権比率は前期末比で0.61％上昇し3.23％となった。
　銀行の健全性を示す自己資本比率（単体）は11.30％。この結果、与信関係費用は、前期比で62億600万円低減し19億6200万円となった。
　平成25年３月期の単体業績は、経常収益638億円（連結730億円）、経常収益90億円（同106億円）、当期純利益55億円（同58億円）を予想している。

２年目の中期経営計画

　同行は、「中期経営計画ＶＡＬＵＥ　ＵＰ　ＰＬＡＮ　ｗｉｔｈ　Ｉｎｎｏｖａｔｉｖｅ　Ｓｐｉｒｉｔ」が２年目に入るに当たり、収益力強化に向け、「営業力強化」と「市場運用力強化」の二つの戦略を重点的に取り組む。
　「営業力強化戦略」の一つ目は「チャネル戦略」で、法人・個人客に最適な商品やサービスを、リアルタイムに提供できる店舗チャネルの構築を行う。
　二つ目の「法人営業戦略」は、取引先に対するソリューション提供機能の強化、ライフサイクルに応じた経営支援を通じて、地域密着型金融の実践、金融円滑化への取り組みを強化していく。
　また環境に配慮した経営、アグリ分野への支援、海外進出のサポートを積極的に行う。
　次に「市場運用力強化戦略」は、ＡＬＭに基づくポートフォリオ運用のほか、市場動向に応じた機動的な運用にも注力し、有価証券運用全体のパフォーマンス向上を目指す。
　この二つの戦略を支えるために、人材育成・インフラ整備に向けた戦略に取り組む。
　まず「人事戦略・営業店事務改革」は、若手行員の早期育成、人材育成に努める一方、営業店事務の削減等で効率化を進め、営業人員の創出と戦略的配置を図る。
　二つ目は「コンプライアンスとリスク管理」の徹底を掲げ、三つ目は、「コスト・コントロールとＩＴ投資戦略」の実施を掲げた。

▼役員異動（６月28日付）
「新任」
▽監査役（社外）　寺東一郎氏（日本碍子㈱監査役・㈱ニコン顧問）
「退任」
▽監査役（社外）片柳　彰
　上記以外の役員の異動については、３月27日付けで公表済み（本誌４月５日号掲載済み）。

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