㈱中国銀行（岡山市）は、６月24日に開催した、第130期定時株主総会とその後に行われた取締役会にて、永島旭頭取の退任と、宮長雅人常務の頭取就任を正式決定した。同日、本店内にて記者会見を行った。頭取の交代は11年ぶりとなった。
　本店、会議室で行われた記者会見には宮長新頭取と永島前頭取が出席した。宮長氏は昭和29年生まれの56歳、昭和52年入行後、田ノ口支店長、融資管理部長、福山支店長、取締役融資部長を歴任し、平成19年６月から常務取締役を務めていた。
　会見で宮長新頭取は、「頭取就任の要請があった際は突然であり驚いたと同時に、80年の歴史を誇る中銀の頭取という重責を担う不安が頭を巡った。」とそのときの心境を吐露。その上で「当行にとっては非常に厳しい環境下である」という認識の中で頭取職を受けるにあたり、「永島前頭取が進めてこられた総合金融サービス力の向上を更に発展させるべく、着実に前進をしていく」と決意を述べた。

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　今年４月からスタートした「中期経営計画」によると、メインのテーマに「総合金融サービス力で日本トップクラスの地域金融機関」を目指すとうたっている。そのための主な施策として「総合金融サービス力の向上」「経営基盤の強化」「ステークホルダーへの貢献」を上げる。
　中でも前年度に発生した大口与信先の林原の経営破綻により生じた与信コストの低減を図るため、大口与信先の管理強化を目的とした「大口与信先審査委員会」を設置した。
　退任する永島頭取は宮長新頭取について、「一緒に仕事をしていて、現在の経営陣の中から執権、能力、人柄などの観点から最適であるとして自信をもって指名をさせていただいた。」と抜擢の経緯を披露。その上で「最近は地方銀行の頭取は大幅に若返りを図っており、今回、15歳若返ることになる。」として、役員の若返りも目的にあることを示唆した。
　また、「長年に渡る林原の不正経理を見抜けなかったことは大変遺憾に思っている。」と述べた。
　６月20日、中銀としては13年ぶりとなる「明石支店」をオープンした。住宅ローンセンターを併設した。これに続いて備後都市圏と違い、現在、二店舗しかない広島都市圏への新規出店を出来るだけ早く図りたいとした。

　以下、宮長新頭取の一問一答。
▼経営陣の若返りについて
　平均では約三歳ほど若返った。今後、一番目指していきたいと思っているのは、経営陣の結束力の強化、組織で経営をやっていく。取締役以上は私と年齢も近く、現場で汗をかきながら仕事をしたメンバーが大半である。気心、性格もよく知れており、そのメリット活かして、様々な経営課題に対して、担当役員は担当以外の業務に関しても、自分の意見を言ってもらい、議論の中から最終的な意思決定を図っていきたい。

▼林原の問題について
　当行が受け取ったバランスシートでは債務超過ではなかった。情報開示に消極的なファミリー企業であった点は、時間を掛けて情報開示に努め、財務内容の実態把握をしていたが、結果として不適切な経理処理がわかったのが昨年11月。それまでは粉飾の疑念は持っておらず大変遺憾だ。今後は大口融資先は従前以上に実態を把握し、問題点の究明、それに向けた対応を実践をしていく。すでに委員会を立ち上げ、営業店･本部の担当･役員が情報を共有化し、従前以上に管理強化を図る。

▼女性の登用について
　現在も経営職に一名いるが、当然、更に多くの女性に経営職になってもらい、女性ならではの視点で、銀行の重要な業務を果たしてほしい。もし能力や実行力があり、女性であることだけで、役員登用にならないという時代ではない。実力本位で登用していきたい。

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