10月25日号
高松天満屋(高松市常磐町1-3-1)が来年3月末で閉店を決めた。18日、親会社の天満屋(岡山市 伊原木省五社長)が発表した。
2001年9月に開業。コトデンそごう破綻後、高松市内中心部の南エリアの核施設として期待されてのオープン。
売り場面積2万8千㎡という都心型の巨大百貨店として、開業当初こそは順調に業績を上げていたが、ここ数年は長引く不況に加え、高松三越と再開発の進む丸亀町商店街の北部エリアに集客面で水をあけられ、ゆめタウン高松やイオン高松など業態の異なる郊外型大型ショッピングセンターとの競争も激化。ピーク時に151億円を計上した売上高も2012年度は89億円あまりにまで低迷していた。
定期的な催事展開に、リニューアルによるテナント入れ替え、高松天満屋によるFC店 高松ロフトなど雑貨も充実し生き残りを図ったが、状況が好転する見通しが立たず撤退の決断に至った。
天満屋は昨年3月、広島市の広島八丁堀店を閉店するなど不採算店のリストラを進めており、高松天満屋も常に撤退の噂が流れていた。
県内では、グループの天満屋ストアが経営する天満屋ハピータウンレインボーロード店が今年6月にクローズしたばかり。
買い物客、周辺の商店主に話を聞くと「残念だ」「寂しくなる」「やはりダメだったか」といった声と、「仕方ないだろう」「今までよく頑張った」という天満屋を擁護する声も多く聞かれた。
1997年4月に開業、わずか4年しか営業せず2001年に経営破綻した、コトデンそごうの功罪が大きい。使い勝手の悪い建物の構造、コトデンビル自体のマイナスイメージという負の遺産を引き継ぐ形での天満屋出店は、大きなハンディだったに違いない。
またお膝元の常磐街商店街もかつての輝きを失ったまま長く時間だけが流れている。瓦町駅で乗降する通勤通学者は多いのだが商店街は通路として抜けるだけ、雨天時はすごく便利、くらいの認識ではないだろうか。商店街での新規出店希望者がいても、全体的に間口の広い常磐街の空きテナントは小資本のチャレンジャーには負担があり出店に踏みきれない。
高松天満屋は取り巻く環境に恵まれていないわけだ。そんな悪条件でのスタートながら、限られた人員と予算のなか孤軍奮闘し営業を続けてきたが、ついに決断を余儀なくされた。
約150名の社員は、全員から要望を聞いた上でグループ企業内での異動により雇用を維持するという。
高松天満屋は地下1階から地上8階までを高松琴平電気鉄道より賃貸。高松市民サービスセンターや郵便局などの入居する9階、レストラン街のある10階は高松琴平電気鉄道と直接契約しており営業は継続する見通し。
宇多津ビブレが来年2月の閉店を決め、今度は高松天満屋。相次ぐ大型店の撤退発表に、次は○○か?という噂も飛び交う讃岐路。
高松市瓦町は県内主要交通の基幹駅であり高松の顔。その駅前にある常磐街商店街はこの8月、旧OPA跡地に華々しくオープンしていた高松いろは市場が2年も持たず消滅。地盤沈下の進む街でのダブルパンチにショックは隠しきれない。
高松天満屋が閉店発表する前から、これまでもコトデン瓦町ビルは、百貨店のほか家電量販店や都市型ホームセンターが出店するという噂が絶えなかった。売り場面積が広いため、1社単独で運営できる業態となればかなり限られてくる。単独店となるのか、複合型での出店となるのか、いずれにしても興味深い。受け入れる街側も態勢を変える気持ちで臨まなければ、また将来同じことを繰り返すだろう。
ビルを所有する高松琴平電気鉄道は、後継テナントとして数社と交渉中であることを明かしており、一帯の空洞化を避けるためにも一日でも早く明るい話題にチェンジできるような発表を待ちたい。
目次
- トップインタビュー
(株)きむら 代表取締役 木村宏雄氏 - 高松天満屋が来年3月で閉店
- 空港通り店をグランドオープン 香川トヨペット
- 中小機構と連携した融資商品「きずな」を創設 高松信用金庫
- あなぶき興産がコーポラティブハウス事業に参入 あなぶき興産
- 平成25年度のかがわ県産品コンクール入賞商品決まる
- 日本経営士会のビジネス賞を受賞 ジェムスクール
- 創業補助金の応募を受付中 (公社)かがわ産業支援財団
- 次世代自動車関連技術開発研究会が超小型電気自動車の開発状況を発表
- アレルギー体質の人でも安心な「そら豆醤油」を販売中 (株)高橋商店
- ライオンズフォーラムin高松がサンポート高松で盛大に開催
- 異業種交流組織で特別講演会を開催 みどり合同税理士法人グループ
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