11月15日号
パッケージ印刷の㈱北四国グラビア印刷(観音寺市粟井町755 奥田拓己社長)は、〝環境と衛生〟を最重要課題に掲げ、社内改革を進めている。
環境面では、同社印刷工場の廃熱回収による省エネルギー事業が、10月3日に国内クレジット認証委員会よりCo2(二酸化炭素)排出削減事業として承認された。「回収した未利用の廃熱への熱源の切り替え」による方法論でもって、国内初の承認という快挙を成し遂げた。
衛生面では、本社隣接地約2200㎡へ来春を目処に、本社工場を増築。衛生管理を更に高めた、生産体制を構築する計画だ。
これらの取り組みを背景に、同社は食品をはじめとする各種製品パッケージ業界での存在感、取引先の信頼感を高めていく方針である。
同社は印刷インキ等に含まれるVOC(揮発性有機化合物)の排出規制に対応し、VOC排出対策に加え「省エネ」「Co2排出量削減」が可能な設備を平成22年2月に導入した。
同設備の導入により、VOC排出削減率98%以上、工場全体での年間一次エネルギー使用量3.3%削減を達成。加えてVOCを触媒燃焼処理する際発生する熱源を印刷の乾燥行程で再利用することで、Co2を年間4%削減できる見通しから、国内クレジット制度(※)の活用と新規排出削減方法論の申請を行っていた。
これらの取り組みは全国のグラビア印刷会社でも初の試みで、業界も注目。設備導入以降、同社には施設の見学希望が多数寄せられた。
「社会貢献の観点からも、設備や取り組み事例に関しては広く公開してきた。見学を受け入れることで、取引先の信頼獲得や社員の意識向上に成果を実感している」(奥田社長)
業界上位の衛生管理目指す
本社工場の増築(二階建て 延床2400㎡)では、資材と商品の出入庫部分などを整備する。これにより従前の本社工場と合わせて、入庫・製造・出荷までの工程を、全て一階部分で管理できるようになり、高い衛生レベルの実現を目指す。
従前は本社工場内で複層階にわたって作業を行っていたが、これだとエレベーター内などで生産経路が重なるため、衛生レベルの向上には限界があった。
「これまではソフト面の強化で、衛生レベルの向上を順次図ってきた。今回の増築を機に、業界内でもトップレベルの衛生管理体制を構築したい」と、奥田真司工場長は抱負を語る。
また空室となる本社の二階部分には、全社員百名が入室できる会議室と社内食堂を整備する計画。経営理念の共有やチームワークの強化といった、企業風土の醸成に努めていく考えだ。
同社は、工程毎での分業が一般的な印刷業界では珍しく、企画から印刷・納品までの一貫体制を構築している。これにより品質・納期・顧客情報管理といった面でアドバンテージを有する。一方、部門の壁により社内の意思疎通が滞らないよう、会議室や食堂を整備する必要があったという。
▼※国内クレジット制度 大企業の技術・資金提供により、中小企業が二酸化炭素の排出量を削減した場合、その排出削減量を大企業が見返りに得られる制度
http://www.kitashikoku-g.co.jp/
目次
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