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【サンコー㈱】 代表取締役社長 河野伸之氏

企業の存在価値は継続し続けることです

 会社の創業は昭和36年。今では全国に15営業拠点、さらに中国、シンガポールなど海外にも販売拠点を持つ産業用ネジの総合商社として確固たる基盤を築き上げた。
 大学を卒業し勤めた先は、神戸にある百十四銀行旧湊川支店。その5年後にはホームセンターを運営する業界大手の島忠に入社し、2年間みっちり学んだ。
 郷里に帰ってきたのは平成10年のことだ。当時、会社はホームセンターを県内で手広く運営しており、前職で得た知識を実践に生かした。
 5年後に本社に戻ったあと、新たな配置先となったのがユニット部である。ここではネジやプレス品、樹脂成形品などを組み立て納品する現場作業に取組んだ。

 常務取締役、専務取締役を経て、社長に就任したのは平成25年5月のこと。早いもので一年半が過ぎた。
 企業の存在価値とはと聞くと、「継続し続けることです」と返ってきた。「私自身は目立つことが嫌いで、派手にやって尻つぼみにしたくない。ネジはめだたない存在で縁の下の力持ちそのものです。継続し続ける姿勢はこれからも変わりません」
 現在会社は三つの事業部から構成されている。即ち精密部品事業部、ファスナー事業部、鉄鋼建材事業部であり、顧客企業の業種ごとに分けられている。
 3事業部の中で、もっとも売上が高いのがファスナー事業部だ。建設機械、造船、農機具メーカー等の著名企業がずらりと並ぶ。
 「ネジ業界はご多分に漏れずたくさんの会社が存在します。我々の特徴は、幅広い業種のお客様に販売していることです。小さいものから大きなものまで扱っています。
 もし我々のお客様が特定の業種だけなら、とっくに会社は傾いていると思いますし、一つの業界が悪くても他の二つの事業部でしっかりカバーします。
 ネジ一筋に50年間会社が持続できたのも、さまざまな業種に対応してきたからです。」
 自社開発商品として全国的に話題となった、ナット緩み防止金具「ロックワン」には熱い視線を送る。
「ロックワンを通して、新しいお客様の開拓ができ、会社の知名度も上がれば」と期待も大きい。
 「趣味はこれといってありませんが、今はゴルフの特訓中です」と苦笑い。
 同志社大卒。46歳。


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