【中讃ケーブルビジョン㈱】代表取締役社長 直井 工さん
四国化成工業㈱の常勤監査役を経て、4月に顧問として入社し、約二ヵ月の助走を経て6月15日に社長に就任した。中讃地区一市三町(丸亀・多度津・琴平・まんのう)でケーブルテレビ事業を展開する同社とは、不思議な縁で結ばれていたようだ。
30年程前に四国化成が事業の多角化を推進した際、30歳前後の中堅社員三名が担当となり、その一人に選ばれる。氏は「モスバーガー」のフランチャイズ加盟で、飲食の新規事業を推進した。
同社が入居するビルの一階にある、モスバーガー丸亀店は昼夜を忘れて運営に携わった思い出の場所だ。顔なじみだった中讃テレビ新入社員は管理職に成長し、共に社を盛り立てていく仲間として再会した。
「モスバーガーのCMでケーブルテレビに出演した時、お客様から『CMを見たよ』と声をかけて頂いた思い出が甦りました。地域と生活に密着した情報、ケーブルテレビならではのサービスを提供し、加入者のご満足と加入者数を高めていきたい」
経営テーマに掲げるのが、〝連携〟だ。第一にサービスエリアの自治体と連携し、地域の活性化に貢献していく。
「当社が長年蓄積した放送コンテンツは、宝の山となり得る。これらの映像アーカイブを活用して自治体と連携し、地域の魅力を掘り起こすとともに、通信基盤を活用しての防災・防犯のシステム構築に取り組み、地域の活性化と安全安心の社会づくりに貢献していく考えです」
第二に近隣のケーブルテレビ各局と連携し、放送コンテンツの充実を図り、加入者満足の向上に努める。
前職の総務部長時代に築いた地域社会との縁は、氏の財産となっている。飾らぬ人柄でもって、多方面との連携を深めていくことだろう。
気軽に社員へ声をかけ、彼らの意見や業務内容への理解に努める。社長室のドアは、常に開けてある。
来年迎える開局三十周年にあたっては、「中讃テレビのアイデンティティを、地域社会に印象づける事業を推進し、社員が誇れる会社へと歩みを進めていきたい」と明確なビジョンを語る。
サービスエリア拡大、東京オリンピックに向けた4K放送推進など重要課題には、熟慮断行で臨む。趣味の山登りで鍛えた、計画力と判断力を大いに発揮していくことだろう。
丸亀市出身、60歳。