【高松空港㈱】代表取締役社長 小幡義樹氏
仙台空港に次ぐ2例目の空港民営化で昨年4月に運営を引き継いだ。2032年までの15年間(オプションによる延長は35年以内・最長55年間)。国から預かった滑走路や駐車場と旅客ビル、貨物ビル等をトータル運営する企業体。三菱地所をはじめ、大成建設やパシフィックコンサルタンツ、香川県、高松市等が株主として連ねる。
さっそく昨秋からはエアソウルのディリー運航が実現し、昨年度の利用客数は200万人を突破、今年夏ダイヤではチャイナエアラインもデイリー運航化した。国内線は今秋に、日本航空が一部機材の大型化が決定。
増える利用客に対応し、国内線搭乗待合室の一部拡張や、免税店の拡張、立体駐車場の整備を矢継ぎ早に実施した。だが2032年の307万人の目標へ、まだその歩みは緒に就いたばかりでありその責任は重い。
このほど新社長として高松に赴任した小幡氏。長野県の出身で三菱地所ハウスネット社長の後、直前は三菱地所が運営する三菱一号館美術館(東京駅前の丸の内にあり、年間30〜40万人が訪れる美術館)で、美術館室長(GM)を務めた経歴である。
高松空港社長の打診については「想像もしていなかったので最初は驚いた」と言うが、長年地所で開発を担当した経験を「空港の活動で交流人口が増え、この地域に新しい流れを生み出すことは、地域のまちづくりに貢献出来る仕事」に生かせると、やりがいをもってのぞむ覚悟である。
四国の印象については「妻の郷が新居浜市なので、瀬戸内海の独特の明るさが好い印象」と話す。
早速挨拶回りの先では空港に対して、「交流人口を増やす地域の期待度の高さ」を実感。「国内路線は空港開設当初は沢山あったものの、その後徐々に減る中でインバウンドにシフト。香川県を中心に地域の皆さんの尽力で、早い段階から取り組んで頂いた成果が現れたもの」と分析。その上で「国際線利用者数は全国でも上位。空港会社も営業努力を積み重ね香川県はじめ、地域の皆様と一緒に便数を増やしていきたい」と連携を強調する。
三菱地所は現在、富士山静岡空港、下地島空港に北海道の7空港のコンセッションに係わっており、そうした空港との連携も模索していきたい意向だ。
旅客ビルの増改修も8月から新しい付属棟が稼働。この春の商業テナント退店跡には、四国の特徴ある産品を扱う直営の『四国空市場』を8月1日に開設した。その上で「大きな目標の達成に向けて、新路線誘致の成功が鍵になる」と小幡氏。そのために高松空港の良さをもっと航空会社へ知ってもらう。
趣味のアート鑑賞では「早速、直島の地中美術館は訪れました。是非それ以外の所も巡ってみたい。」と教えて頂いた。