【香川証券(株)】 代表取締役社長 中條博之氏
勝ち組企業を目指し社員が誇りを持てる企業にしたい
創業は大正8年、今年で93年目を迎える歴史ある証券会社にあって、6月下旬に若き経営トップが誕生した。
就任して間もないため、今は県内外の顧客、取引先への挨拶回りを精力的に続けている。氏は、「性格的に席をあたためることが嫌いで、現場にいて人と会うのが自分の性分に合っていますから」と苦笑する。
社長就任に当たり、自ら三つの目標を掲げた。一つ目は、“社員が誇りを持てる会社にしたい”。
「社員が将来、自分の子どもや孫に対し、香川証券に入れと言えるような、居心地が良く、風通しの良い会社にしたい」と言う。
二つ目は、“勝ち組企業になること”。「独立系の地場証券会社として努力し、強い企業体質づくりに努めたい」と語る。
三つ目は、“挑戦し続けること”。新しいことに取り組む際はリスクが伴うものだが、恐れていたのではなにも生まれない。「リスクを恐れずに、新しいことにどんどん取り組んで欲しい」との強い思いが込められている。
今振り返れば専務時代は、これからの証券会社とは、また地域の証券会社とはいかなるものかと、決断と変革を求められた4年間でもあった。
ネット取引口座導入もその一つで、検討はしたものの、現時点では導入しないことを決めている。
「担当者が自宅にお伺いして、ご家庭の雰囲気を感じ取りながら営業をする。これが地場証券会社の真骨頂であり、ネット取引ではそれができない。だからやめた」と言う。
また3年前には、法人ビジネス強化を図る一環として女性社員中心の部隊を作った。「これから女性総合職の営業提案能力を上げていければ」と期待を寄せる。
自らの使命として、「中條安雄前社長(現相談役)が培ってきた会社の歴史を変化させるのではなくて、それを進化させ、時代にマッチしたやり方に変えていきたい。相談役はそれを託し、今回私にタスキを渡した最大の理由だと思う」と振り返る。
氏は一方で、香川ニュービジネス協議会(小野兼資会長)に副会長として活動しており、小野会長からは“強い存在感でもって、運営面でよく補佐してくれている”と信頼も厚い。
明治大学商学部卒。40歳。