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香川のキーパーソン

㈱イレブン・リース 代表取締役社長 和田光敬氏

 同社は2004年11月11日設立のリネンサプライ業者。
 『お客様の笑顔のために』を理念に掲げ、顧客、従業員、会社のスマイルを大切に、経営を続ける。四国4県の宿泊施設、温浴施設、飲食店などのシーツや浴衣、タオル、テーブルクロス、ナフキンなどを提供し、顧客の施設運営をサポートしている。
 品質には絶対的な自信がある。
 「本社工場には豊富な良質の地下水があり、これが当社の強みのひとつ。井戸水を使用しているから、同業者との価格競争で圧倒的優位に立てる。
 また、リネン業者は一般的には連動式洗濯機だが、当社は単独洗濯機を使用している。洗いもすすぎも、1回ずつ水を入れ替え、常に綺麗な水を使う。さらに製品や汚れに合わせた独自の洗い方をすることで、高い品質を維持することができる」
 品質維持には、平均年齢30歳という若いスタッフの存在も大きい。小さな汚れも見落とさない、高い視力が欠かせないという。
 コロナ禍で苦戦を強いられたが、今年に入り売上高は80%ほど増収となった。
 「異業種参入など多角化を検討したこともあるが、今はリネンサプライを極めることしか考えていない」と話し、四国内の協力業者の支援も受けながら、業容拡大を進めていく。


 その原動力となるチームワークも抜群。社長と社員の間に壁がなく、お互いに意見を出し合う土壌がすでにあり、職場内の風通しも良い。
 子育て中のスタッフ、特に女性が働きやすい環境整備は引き続き強化。障がい者雇用の拡大や、就労継続支援B型事業所の整備も進めたい意向を持つ。
 2021年より香川県高松市倫理法人会で会長を2期務め会員拡大、活動強化に尽力。8月末で勇退し、今後はサポート役として新体制を支えていく。
 また、和田社長は、大のプロレス好き。数年前、プロレスのプロモーターと縁ができ、スポンサーとして四国でのプロレス興行を支援している。


eyelash salon march 唐渡久美さん

 今年4月1日、目元の美をサポートするアイリストとして、まつ毛サロンを高松市郊外にオープン。
 自然豊かな丘陵地にあり、ゆっくりと流れる時のなかで、最新の施術が受けられると話題だ。
 出身は高松市。美容師を目指す友人の影響もあり、美容学校へ進学。国家資格に合格し、美容師デビューを果たす。
 出産を機に美容室を退職し、育児が落ち着いた3年後に、再び美容師として復帰。
 しかし、自身が長く消費者として施術を受け、興味を持っていた、自まつ毛に人工まつ毛を1本ずつ装着する「まつ毛エクステンション(マツエク)」への挑戦を決め、マツエクサロンでの勤務を経て、このたび自宅兼サロンを構えた。
 「新たな一歩で、前に進みたい」と『前進、行進』の意味を持つmarchを屋号に。
 女性専用のプライベートサロンは、白を基調にシンプルな空間とした。
 一般的なマツエクは、時間の経過と共に持ちが悪く、バラつきやすい、デザイン性が崩れ、まつ毛が痛みやすいとされているが、marchが導入するDesign KEEP Lash(デザインキープラッシュ)は、サロン仕上げが持続する、次世代のマツエクとして注目の技法。


 「当店でも、3週間から4週間に一度の来店をご提案していますが、再来店までデザインを維持しているキープ力の高さに驚かれます。バラつかないので、自まつ毛への負担が少なく、まつ毛を育成する効果もあります。
 また、とにかく付け心地が軽く、付けている違和感がないと好評ですね」
 20代から50代を中心に高いリピート率を誇るというデザインキープラッシュ、香川県内での導入はmarchが2店目。
 「マツエクにより化粧の時間短縮にも繋がります。
 仕事、家事、育児と忙しいママさんによりキレイになってもらい、自分の時間を持てるお手伝いができれば」
 デザインキープラッシュは両目160本(80束)7700円ほか。まつ毛パーマ5500円。
 平日・土曜9時〜17時(木曜15時)。時間外は要相談。


香西行政書士事務所 香西祐美さん

 特別養護老人ホームと介護老人保健施設での勤務を経て結婚。以降は専業主婦として11年間、育児と家事に汗を流す日々を過ごした。
 その後、「社会福祉士としてもう一度仕事をしたい」という思いを強めて地域包括支援センターに就職。権利擁護業務を経験する中で行政書士を志すようになり、令和3年度 行政書士試験に合格後、2022年4月に自身の事務所を開業した。
 農地転用の手続きからマイナンバーカードの代理申請まで、様々な依頼を受けながら、『身近な街の法律家』として、事業者や地域住民の暮らしをサポートする役目を担っている。
 「福祉の業務を通じて高齢者への知識が深められたことは、大きな資産になった」と振り返る。
 この経験を活かすため、高齢者に関わる業務として〝成年後見制度〟を勉強した際には、成年後見制度の実状を目の当たりにしたとのこと。近年では、成年後見人等による不正事例も珍しくない。


 「身近に信頼できる人がいるなら、万が一に備えて、その人に財産を適切に管理してもらえるよう任意後見契約書を作成しておくことがトラブルの防止につながる」と香西さんは話す。
 「後見制度は知っているけれど、どのように備えればいいのかわからない」、「本当に信頼できる人と契約したい」という人々に向けた、〝任意後見制度〟の発信を己が使命とし、高齢者へのサポートを通じた社会貢献にも意欲的だ。
 今後は高齢者施設でのセミナーや講座を通じ、任意後見制度についての必要性を発信することで、人々が自分らしく生きていけるよう、行政書士にしかできない支援に取り組んでいく。
 また、仕事と家庭を両立している女性経営者のサポートにも積極的で、「女性だからこそ話しやすく、分かり合えることがあると思う。行政に関する手続きでサポートできることがあれば、気軽に相談してほしい」と、笑顔を見せた。
 行政書士としての知見を活かし、誰もが幸せに生活できる社会を現在から未来へとつないでいけるよう、これからも社会貢献活動を進めていく。


東宝物産㈱ 皮革工房メンテナンス担当 塚田さおりさん

 戦後間もなく創業、クリーニング業に参入し60年近い歴史がある東宝物産。県内全域にワンナワードライ・東宝の店舗ネットワークを持つ。
 入社2年目の2008年、皮革工房の立ち上げにあたり、抜擢されメンテナンス職人に。
 関東の専門業者に指導を依頼し、基礎から技術を習得し現在に至る。
特殊な顔料・染料を使った汚れや色褪せ、小さなキズやシミの補修で、愛着や思い出の詰まった品に再び命を吹き込む。
 基礎知識を得たとはいえ新規事業は手探りの中でのスタート。
 「当時は仕事が少なく、トラブルもあって苦労の連続。楽しいと思う余裕すらなかった」と述懐するが、今では店舗で受け付けるリピーターも増加傾向にあり充実した毎日。公式サイト上での受注により、同社の店舗がない県外からの相談も寄せられるようになった。一昨年からインスタグラムでの情報発信にも取り組む。工房は本社工場にあり、塚田さんが直接店舗で受け付けすることはないが、店舗を通じて、また直接電話を通して届くお礼の言葉がやりがいに。


 当初は革靴、バッグ、革小物が中心だったが、最近はキャンバス生地のスニーカーなどのメンテナンスもニーズが伸長。
 除菌・消臭効果に優れるオゾン水を使い手洗い洗浄し乾燥。要望に応え細部の仕上げ工程に進む。
 手作業のため生産性が上がらないこともあるが、顧客の思いを優先し、喜んでもらうためのメンテナンスを心掛ける。
 もっと「皮革工房に直してもらいたい、皮革工房に出して良かった」と言われるように日々研鑽中。
 受付時には一点一点カルテを作成。顧客の要望を記入してもらい、作業を終えた商品には、感謝を込めた手書きのコメントを添えて届ける。
 面倒見が良く、気配り目配りもできる性格は、社内のメンテナンス役としても重宝される存在だという。
 東かがわ市出身。


中讃ケーブルビジョン㈱ 代表取締役社長 藤﨑茂昭氏

 丸亀市、多度津町、まんのう町、琴平町、善通寺市の2市3町の地域情報を発信する中讃テレビ。今年6月29日に代表取締役社長に就任した藤﨑社長は59歳。
 1986年に四国化成工業㈱に入社。1994年に開局当初の中讃ケーブルビジョン㈱に出向し、約2年間営業と制作に携わった。2021年に2度目の出向。営業部及び制作部の統括部長を務めた後、社長に就任した。
 「地域のみなさんが映っているテレビです。最初の出向の時は自身も番組に出演したこともありました。今も若手営業スタッフが番組の司会をしています。」と藤﨑社長。スタッフは総勢31名。社員は皆何かしら番組に携わっていると笑う。
 「災害が少ないエリアですが、いざという時にエリア内の一部河川のカメラを利用し、データ放送で坂出市のケーブルテレビ局(KBN㈱)と情報共有をしています。防災については今後更に細かなエリアで、ここの人はここへ避難して下さいというところまでできるように考えています」。
 地域に根ざしたケーブルテレビにも課題があるという。


 「テレビ離れが進むなか、現在のサービスでは限りがあります。そこでネット環境さえ整っていれば全国どこでも視聴できる『ロコテレ』というプラットフォームを利用した、配信の実証実験を進めています。まだ実験段階ではありますが、当社が制作した『みちようび』という番組が視聴回数上位にランクインするなど、手ごたえを感じているところです。他県にお住まいの中讃エリア出身者が故郷を感じてもらえるような番組をもっと提供できれば、さらに喜んでもらえると考えています」。
 「平日18時30分より放送している『CVCニュース』は開局当初から続く看板番組で、エリアの情報をお届けしています。また、高齢者の健康づくりに携わるボウリング番組『スマイルボウリング』も大人気で、今は唯一の視聴者参加型番組。もし出演者が少なければ自分たちも出ようと話していましたが、出る幕がありません。皆さんマイシューズを持ちプロボウラー顔負けのボールを投げます」。
 他局にはない自由な発想の番組で、地域の人の笑顔を作る中讃テレビ。2市3町のそれぞれに面白味がある、まだまだやるべき事、やりたいことがあると意欲を見せてくれた。