NPO法人日本サービスマナー協会認定講師・㈱エス 酒井もえさん
「クレーム対応の辛い経験をムダにしたくない。私と同じように悩む人の役に立ちたい」。そんな思いを胸に、苦情対応の指導者として、講演活動や取材対応に、忙しくも充実した毎日を過ごす酒井さん。
業界トップの業績を持つメーカーで約10年間、カスタマーサポートに従事。主に二次対応を担当し、数千件以上のクレームを解決した経験を持つスペシャリストだ。
そんな彼女でも過剰なストレスに苦しみ、体調を崩した時期もあった。「足りないのは話術。うまく伝えられたらお客様は納得してくれると、あの頃は思い込んでいました。でもそれは間違いでした」と当時を振り返る。
大事なのは、まず聞くこと。そして表情、声のトーン、姿勢など、相手が怒っている時には気を付けるべきポイントがあると酒井さんはいう。自動車の運転の仕方を知って車に乗るように、対応の仕方を学べば、クレーム対応は、ずっとスムーズになる。まずはその「テクニック」を知って欲しいと、酒井さんは考えている。
いまも講師業の傍ら、現役でクレーム対応業務をこなす。「趣味みたいなもんです」と冗談混じりに笑うが、現場の生の声を知る講師は貴重な存在だ。