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元総務大臣の片山善博氏が「地方創生」テーマに講演

 百十四銀行主催による新春講演会が1月14日、サンポートホール高松大ホールにて開催された。
 今年は地方自治の専門家で、鳥取県知事、総務大臣などを務めた片山善博氏(慶應義塾大学法学部教授)を招聘し、「地方創生と日本の将来」をテーマに繰り広げられた。
 片山氏は「地域経済の停滞により魅力ある雇用の場が減少し、若者の流出による悪循環で全国の多くの地方が苦しんでいる」と指摘。一昨年秋に安倍政権が打ち出した地方創生戦略は「タイミング的にも政策としても評価はできる」としながらも、「今のままではうまくいかないだろう」と警鐘を鳴らした。
 理由として、「地方創生という呼び方は新しいが、過疎対策事業など同様の取り組みは何十年も前から繰り返し行われてきたこと。過去の政策の検証・点検が十分に行われないまま、国が短期間で自治体に総合戦略を提出させ、財政支援して実行したところで、結局は過去の失敗の繰り返しになるだけ」とバッサリ。
 そこで氏は「そもそもなぜ、人口減少の要因となる地域経済が停滞するのか」という分析の必要性を強調。鳥取県知事時代に有識者らとその原因を調査したことに触れ、「入ってくるお金よりも、出て行くお金の方が多く、(国の貿易収支に例えると)大赤字であることが何よりの原因」と説明。それを改善するためには「単純なことだが、地域のお金を外に出さないこと」と訴え、「例えば“地酒で乾杯”といった取り組みや、地産地消なども有効な手段」と力説した。
 つまり我々の消費行動自体にも地方創生のヒントがあるといい、「商品を選択するときに、どの商品を買えば地元にお金が落ちるか、という視点を多くの人が持つべき」として、自治体はもとより、一人一人の日々の行動や選択そのものが、やがて地方創生の大きなパワーとなり得るとの結論で締めた。


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