「困りごとは起業のヒント」馬場加奈子社長が講演/香川大でシンポジウム
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学生服のリユースショップを全国に約30店舗展開する㈱サンクラッド(高松市上之町)の馬場加奈子社長を講師に迎えたシンポジウムが9月2日、香川大学(高松市幸町)であり、馬場社長は、「香川を湧かせるヒントは身近にある」と強調した。
シンポは、香川発のアイデアやビジネスプランを募り、香川大学をはじめ地元企業らが事業化を支援する「香川ビジネス&パブリックコンペ2017」(地域事業構想サポートプロジェクト実行委主催)の事業の一環。
同コンペは地域活性化を目的に、2013年からはじめた四国最大級のビジネスプランコンテスト。5回目となる今回は、「あなたが香川で実現したい、香川を“もっと”元気にするアイデア」が募集テーマ。香川県在住、香川県出身、あるいは香川県内に通勤・通学、香川県に住みたいと考える18歳以上の人らを対象に応募を受付けている。
賞金として、ビジネス部門、地域公共部門の各グランプリには50万円ずつ、審査員特別賞と地域スポーツビジネス特別賞には10万円ずつ。このほか、公開審査に残った受賞者以外にはファイナリスト賞が贈られる。応募は10月12日(必着)が締切。同月27日に一次選考の結果通知を行い、11月25日に同大学のオリーブスクエアでファイナリストの公開審査(プレゼン)を実施する。応募用紙は、同コンペのホームページからダウンロードできるようにしている。
シンポがあった日、会場には同プロジェクトの協賛企業や一般者らなど約100名が出席。プログラムは、基調講演とパネルディスカッションの2部構成で行われた。
「“地域のためになる”を全国へ『学生服のリユースShopさくらや〜成長のヒミツ〜』」と題して基調講演に登壇した馬場社長は冒頭、当時小学生の娘から「制服がキツくなったから買って」という声を受け、「今3人の子育てをしながら新品を購入するのは家計が苦しくなる」として「おさがり」を探すものの、リサイクル店に足を運んでも取扱されていないことが判明。周囲にも同じ悩みを抱えた母親がいたことから、「自分の困りごとは、多くのお母さんの困りごと。ビジネスになる」など、起業を決断するまでの経緯を説明した。
2011年に開業した「さくらや」がこれまで多くの苦難を乗り越え、今日まで成長できた理由について、「相手が笑顔になることを想像しながら、ただ一生懸命に活動してきた」としたうえで、「ビジネスチャンスは主婦にもある」と主張。「身の周りの困りごとは起業のヒント。常にアンテナを張り、まずは怖がらず一歩を踏み出すことが大事。失敗したらしたで学べることもあるし、そのときに修正すればいい」と、コンペ応募者に向けてエールを送った。
その後、「“地域のためになる”をビジネスにするヒント」をテーマに、原 真志実行委員長(同大学大学院地域マネジメント研究科長)や馬場社長を交えたパネルディスカッションがあった。