渥美氏「介護と仕事両立の職場に良い人材」/「香川働き方改革フォーラム」初開催
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今、政府が推進する「働き方改革」の理解を深めようと10月12日、サンポートホール高松(高松市サンポート シンボルタワーホール棟5F)で「香川働き方改革フォーラム」が開かれた。
フォーラムは、日本労働組合総連合会香川県連合会(進藤龍男会長)や香川県経営者協会(遠山誠司会長)、香川労働局(辻 知之局長)などで構成する「香川働き方改革推進会議」の主催。所定外労働時間の削減や年次有給休暇の取得を促進するなどして、誰もが生き生きと働ける職場環境をつくろうと設置されたもの。これまでメンバーが集り会合を開くなか、大規模なフォーラムとして開催したのは今回がはじめて。
この日、会場には企業の人事担当者など160人が参加。はじめに主催者を代表して遠山会長と進藤会長があいさつした後、内閣府地域働き方改革支援チーム委員の渥美由喜さん(東レ経営研究所 主任研究員)が、「リスクマネジメントとしての『働き方改革』」と題して基調講演を行った。
渥美さんは、「人口減少社会において、これから一人あたりの業務量はどんどん増えていく。少しでも効率良く働くためには、社員一人ひとりが意識して心掛ける習慣化がまず必要」とし、さらに「『うちの職場はもっとこう改善すべき』と社内の気付きを上司や先輩に遠慮なしに話せる風通しの良い風土もつくらなければいけない」と強調した。
また、「エース社員ほど介護離職する傾向が強い」と指摘。その理由に、「親から多くの教育費支援を受け、大事に育てられたことによる恩返しの願望」、「自他ともに認めるエースはすぐに転職先が見付かるだろうという、会社を辞めることへの心理的ハードルの低さ」を列挙。これから10年以内に団塊の世代が後期高齢者になることも踏まえたうえで、「介護と仕事を両立できる職場をつくれば、良い人材がとれる」と考えを示した。
その後、働き方改革を積極的に進める香川県内の企業(丸善工業㈱)と大手企業(日本電気㈱)による事例発表があった。今年度の会合(香川働き方改革推進会議)は、来年1月下旬に開かれる予定としている。