刑務所作業製品を展示即売、受刑者作業場も公開/高松刑務所で矯正展
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全国の刑務所内でつくられた製品を展示販売、受刑者の作業場なども一般公開する「平成29年度高松矯正展」(高松刑務所主催)が10月28日〜29日の二日間、高松刑務所(高松市松福町)で開かれた。
矯正展は、法務省主唱の「社会を明るくする運動」の一環。刑務所に収容される受刑者らの処遇状況をパネルや写真をつかって紹介すると同時に、彼らがつくった刑務所作業製品のお披露目(展示即売)も通じて、一般市民の理解と協力を得ようと毎年開催している。
生憎の雨となった期間中、会場内には中四国エリアを中心とした各刑務所がブースを設けて出展し、木製箱や紳士・婦人靴、革製品などを販売。一方の家具コーナーでは、キレイに磨かれた光沢のある木製のテーブルや椅子、チェスト(収納家具)などが格安で展示即売され、来場者は直接製品に手で触れて品定めをしていた。これら売上金の一部は、犯罪被害者支援団体の活動費などにあてられる。
また会場には、受刑者が生活する居室を再現した「模擬単独室」の展示もあり、興味深く覗き込んだり、入ったりする人も多くいた。高松市の会社員男性は、「毎年矯正展を楽しみに足を運んでいるが、いつも受刑者の研ぎ澄まされた技術に驚いている」と話していた。刑務所施設の見学では、刑務官引率のもと、受刑者らの作業場となる石と印刷の工場ほか、体育館などを見てまわった。
高松刑務所によると、今年の受刑者の数は昨年より100人ほど増えた約850人。再犯もあり、なかなか減らない現状にあるという。担当者は、「受刑者が出所した後の働く場所、居住場所をいかにつくれるかが大事になる」と話している。
このほか、中央ステージでは、香川県警察音楽隊による演奏や、高松第一高校の生徒によるダンスパフォーマンスなどが催され終日、カップルや家族連れで賑わいをみせた。