尾田氏「自分の想い言語化して」/ 高松市で女性限定の「起業・創業支援セミナー」
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伝統工芸のプロデュース会社・ツタエル(高松市)の尾田美和子代表を講師に迎えた女性限定の「起業・創業支援セミナー」が11月11日、高松市屋島西町の高松テルサで開かれ、尾田代表は参加者らに、「相手に伝えたい自分の想いを徹底的に言語化することが大事」と呼び掛けた。
セミナーは香川県の主催。「働く女性活躍応援セミナー」として平成27年から開催しているもので、今年で3回目。今回は「キャリアアップ」、「起業・創業支援」、「男性管理職」をテーマにした各セミナーを企画し、全6回分(各テーマ2回ずつ)を10月から12月にかけて、高松市と丸亀市で開いている。
この日のはじめ、㈱ビッグバン(高松市林町)の川上実氏(中小企業診断士)が講師として登壇し、ビジネスプランを作成する際のポイントや、事業コンセプトの本質、プロモーション(販売促進)の考え方などを丁寧に説明。大企業を事例に、成功するためのヒントとして「革新的商品の創出、原価を抑えた商品づくり、ニーズへの徹底対応」の3つを列挙した。
その後の講演で尾田代表は開口一番、創業して約2年半経つ自身の会社を振り返り、「完璧なビジネスモデルだと思って立ち上げても苦難の連続。実際の市場は厳しいもの」と所感を述べたうえで、「まずどんなことにも耐え抜く覚悟、そしてブレない軸を持つことが必要」と考えを示した。
ツタエルでは現在、伝統工芸の西陣織とベビーシューズを組み合わせた、赤ちゃんが初めて履く靴「ファーストシューズ」の企画開発・販売までを手掛けている。
創業前、モデルは頭にあるものの知名度がなく、最初の関門、サンプルの製作を依頼できる縫製工場を見つけるのに苦労したことを述懐。後、三豊市の縫製工場(㈱丸栄)が引き受けるも、いざ量産になるとサンプルの仕上がりとは異なり、指摘すると「(縫製工場から)これ以上はできない。もう尾田さんからの仕事は受けられないとまで言われ、悩みに悩んだ」と一時絶命状態だったことも。
それも束の間、希望の縫製技術を実行してもらうために頭を下げ、職人との会話を通じて的確な表現方法(言葉)を模索。改善点・修正点などを一つひとつ作業依頼書の工程毎に細かく反映させたことで、すべてのシューズが想像以上の仕上がりに変わったというエピソードを紹介した。「自分の想いを言葉に置き換える作業はとにかく大変。でも必ず大きな強みになる。私はそう。ぜひチャレンジしてみて」とエールを送った。
将来、起業を考えているという参加者のOLは、「すごく熱い気持ちが伝わってきて感動した。苦しみを乗り越えるためにも、自分の気持ちが一番大事だと思った」と、確かな手応えを感じた様子で話した。
ラストの「男性管理職セミナー」は、12月1日は丸亀市生涯学習センターで、12月12日は高松テルサで開かれる。講師はビッグバンの山下益明社長(中小企業診断士)。いずれも13時~16時。男性限定で定員30名。
TEL:087-811-6665(働く女性活躍応援セミナー事務局)