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農業の成功願う/「さくらや」のすぐ隣で勉強会

 学生服のリユースショップ「さくらや」(高松市上之町)に隣接するスペース「otonari」で1月29日、神奈川県藤沢市にある養豚農家、㈱みやじ豚の宮地勇輔社長を招いた勉強会があった。
 勉強会は、さくらやを運営する㈱サンクラッドの馬場加奈子社長と縁あって実現したもの。otonariは普段、子どもカフェなどの交流スペースとして活用されている。
 この日、聴講者ら約20人が参加。農業の魅力に惹かれ家業を継ぎ、ブランド化も成功させた宮地社長は6次産業化について、「少々危険だと思う」と意見。
 「生産者が加工や販売も一緒にやろうとすると、結局どれも中途半端になる」と前置きしたうえで、「生産は生産、販売は販売。得意分野のプロに任せる。農家は生産性の向上に努めることが結果的に一番稼げる」と説明した。
 その一方、日本の農業については、「世界でみても特に進んでいる」と評価。「どこに行っても新鮮かつ安く、おいしい食材がすぐ手に入るのは日本くらい」と、農協を通じた流通が優れていることを強調。
 しかしながら、その農協の全量買取で安定のメリットはあるが、「農家には価格の決定権がない」ことに加え、「生産者の名前が消えて市場に流通する」という問題点も指摘。
 また、俗に言われる農業の後継者不足についても、「それが問題と考えているうちは解決できない」と一蹴。「若い人が農業をやりたがらない仕組みそのものを変えていく魅力づくりが必要」と述懐し、「一次産業を『かっこよくて、感動があって、稼げる、3K産業』に。これがみやじ豚の目指すビジョン」と力説した。
 ある参加者は、「家業の仕事内容をあまり知らないまま出ていく若者も多いけれど、伝え方次第で戻ってくると思えるようになった。希望が持てた」と、納得した様子。宮地社長は、「成功の定義は自分で決めるもの。いろんな経験から勝ち残る術を見付けてほしい。今回がその一つの参考になれば」と話した。


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