「もっと意地を」記念講演に安藤忠雄さん/ 高松青年会議所が60周年式典
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若手経営者や企業後継者らで構成する(公社)高松青年会議所(鎌田長明理事長)の60周年を記念した式典が9月17日、サンポートホール高松3F大ホール(高松市サンポート)であり、自団体が高松の未来を創造していく決意を新たにした。
高松青年会議所は今年6月5日で60周年を迎えた。今後は地域と連携しながら、社会貢献や地域の魅力創造など5つのテーマから成るビジョン「NEXT VISION60」を実現すべく活動に励む方針としている。
この日の式典前には同会場で記念講演会も開かれ、招かれた建築家・安藤忠雄さんが、「地方都市の生き残りをかけて」と題したテーマのもと持論を展開した。
会場はほぼ満席。講演で安藤さんは、「もっと『この目標や会社のために必死にやる』という意地が必要。その意地がないと地方都市は生きていけない」と訴求。自身は大学や専門学校に行かず独学の末、周囲から無理と思われていた建築士になったことを打ち明けながら、「いくら一流大学を出ていても、いつまでたっても建築士の試験に通らない人がいる。それは『絶対にやってやる』という強い気持ちと必死さが足りていないからだ」と指摘。
その例えから、「まだまだ『地方だからしょうがない』とすぐに諦め、明確な目標を持っている人が少ない」と示唆したうえで、「これから自分たちが生きていく社会は、自分たちでつくっていかなければいけない。一人ひとりが今何をすべきかをよく考えてほしい」と強く訴えかけた。
その後の式典には、県内外の青年会議所メンバーをはじめ浜田恵造知事ほか、大西秀人高松市長らが出席。開会宣言で幕を開けた後、鎌田理事長が登壇しあいさつ。高松青年会議所創立の精神を説明しつつ、OBへの感謝の念を述べながら、「高松の未来は青年である我々の手に委ねられている。新しい高松をつくっていくのは私たちだ」と、力強く決意表明した。