「真空バルブ・真空遮断器」の新工場建設、来年1月竣工目処/三菱電機㈱
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大手電機メーカー・三菱電機㈱(東京都千代田区)はこのたび、丸亀市蓬莱町に構える「受配電システム製作所(越智与志夫所長)」に、すでに同敷地内の別々の工場で生産を行っている、国内トップシェアの主力製品「真空バルブ」と「真空遮断器」の製造設備を一ヶ所に集約する新工場を建てる。
現在の同製作所新工場対象製品の売上は約90億円。一貫生産体制を確立するなどして効率化を図り、2025年には今の売上3割増(120億円)にする方針だ。
新工場は、鉄骨造2階建て。延べ床面積はおよそ一万四千㎡。既存の生産・試験ラインを新構築するほか事務所・設計エリアも設ける。
今回の工場は、香川県の助成措置対象になっていて、投資額は44億六千万円。すでに着工しており、来年1月には建物が竣工する見通し。翌2月に設備を移設し、同年7月から本格稼働を開始する予定。これに伴い、必要な人員を新規雇用する計画としている。
「真空バルブ」は、真空遮断器の主要部品。「真空遮断器」は、主に配電盤などに搭載されているもので、何らかの原因で故障した際、事故につながる電流を遮断することで、他の回路や設備を保護する役割を担う機器。
同社によると、両製品の市場は、再生エネルギー関連設備の導入や電力、鉄道、工場等での既設配電設備の更新などにより、国内外で需要拡大が見込まれているという。新工場建設に踏み切った第一の理由がこれにあたる。
このほか、「モノのインターネット(IoT)」を活用したシステムも導入し、生産性・品質向上につなげる。新システムでは受注から組立、出荷までの生産情報を一元化し、改善サイクルの高速化(見える化・分析・改善)で、納期を短縮し且つ、高品質な製品の生産を実現させる。さらに、サプライヤともインターネットを通じた情報共有で、部材の「ジャストイン供給」を可能にし、ボトルネックを改善する。
また、三菱電機製のLED照明や空調機、変圧器など最新の高効率機器を導入し、「環境・省エネ対策」に配慮する。さらに、ビオトープ(野生生物が生息できる空間)を構内に整備し、自然と調和した工場に仕上げていく。
越智所長は、「(真空バルブと真空遮断器の)需要拡大に対応できる生産能力の確保と製品競争力の強化を実現し、さらなるシェア拡大と海外での新規市場開拓を図りたい」と話している。